第4弾 スキル
「はぁ...あんなに砂ぼこりが立つのならちゃんと言っといてよ―。...って、あれ?ドラゴンは?ドラゴンは?もしかして私達、死んだの?ここ、あの世的な?」
「落ちつけ。ここはあの世じゃない。あれを見ろ」
七花がドラゴンを見る。
「わー。あれ、死んでるの?つついても大丈夫?」
「死んでるとは思うんだが...一応見に行ってみるか」
ということでドラゴンが本当に死んでるのか見に来てみた。
「七花、近付き過ぎるなよ。もし死んでなかったらヤバ「わードラゴンだー」
七花が木の棒でドラゴンをつつき始めた。
オイイイイイイィィィィィ!!今死んでなかったらヤバいって言おうとしたんだけど!?
実際、今ドラゴンが動き出したら勝てる自信は全くない。さっきは偶然上手く出来ただけかもしれないし、次出来るとも限らない。
「七花、早く逃げるぞ!」
「大丈夫だよ。ほら、脈がない。」七花はドラゴンの首に手を当てていた。こいつは変なところで頭が切れるからなぁ...
「あっ!昇!その板が!」板?ああ、ステータスプレートっぽいやつのことか。
ステータスプレートを見ると、変化が起きていた。
名前·井坂昇 種族·人間 性別·男 Lv.56
スキル 創造 集中力++ 忍耐力++ 剛力++ 瞬時理解 飛翔 ???
うわぁ、何か増えてる...しかもレベルがめちゃくちゃ上がっているんだが。
「そういうお前はどうなんだ?」七花のステータスプレートを覗いてみた。
名前·南部七花 種族·人間 性別·女 Lv.56
スキル 絶対感覚 限界突破 超反応 剛力++ 瞬時理解 飛翔
こいつもスキル増えてるな... しかも同じスキルだ。これはアレか?倒した相手のスキルを奪えるっていうアレか?でも倒したのは俺のハズだが... そういえばこいつ、さらっと手を添えてたな。一緒に倒した判定になっているってことか。
「わー!レベルアップしてるよ!」七花が無邪気に喜んでいる。
さて、ここからどうするか?
「七花、取り敢えず人の居るところを目指そう。そこでいろいろこの世界の事を聞いてみないと」
人が居るところに着いた場合、大事になってくるのは金だ。一応、ドラゴンの角や鱗の欠片でも持っとくか...
「うん、わかったんだけど、その銃はどうするの?」
そうだな... それは盲点だった。何せこの銃は重さが約16キロある。いっそ置いてくか...?
悩んだ末、持っていく事に極決めた。まあ、初めて実際に撃った銃だしな。
「よし、行こう。でも、どこへ行くか...? いっそコインでも投げて決めるか」
「? 何で?人の居るところに行くんでしょ?」はあ?こいつは何を言っているんだ?
「だから、人の居るところを探す為にどこへ行くか決めるんだよ」
「何で探すの?」こいつアタマ大丈夫か?
「じゃあお前には人の居るところがわかるって言うのか?」
「うん」ああ、ショックでおかしくなってしまったのか...
「どこだよ?ほら、言ってみろ」
「あそこ」七花は地平線の彼方を指差す。
俺は眉をひそめた。丁度いい、この高倍率スコープで見てやろう。そして、人の居るところなんてないという事を証明してやろう...
果たして、そこには何かがあった。見たところ、町?に見える。
「ね?あったでしょ?」七花が満面の笑みで訪ねてくる。
「ああ、確かにあったよ。俺が悪かった」
「んも~、謝罪なんていいって。私と昇の仲じゃん?」誰と誰の仲だ。
取り敢えず、俺と七花は町に向けて歩き始めた。
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