第3弾 対物ライフル
デクチャレフ対戦車ライフル。又の名をPTRD1941。ソ連製の対物ライフルだ。口径14.5mm、全長2020mm、ライフリング8条右回り。
勿論、これを使ったところでアイツを倒せるかどうかはわからない。頑丈そうな鱗に弾かれてしまうかもしれないし、そもそも届かないかもしれない。
でも、それでも。少しでも可能性があるのなら、それに賭けてみたい。
「昇、ナニソレ? 今銃いじっている暇あるの? それにどっから出したの? 手品? 多次元ポケット?」
うわぁ、こいつパニックになってる。七花はパニックになると疑問符が多くなるという特性をもつ。というか疑問符だらけだな。
「うるさいな。ちょっと黙ってろ」
実際に撃った事はないが...イケるのか? これ...
そんな事を話している間にもドラゴンはどんどん迫ってくる。もう肉眼ではっきりと見えるレベルだ。残り、1000メートル。
取り敢えず、伏せる場所が必要だ。まあ、ここでいいか。
銃の二脚を使って銃身を地面につかないようにする。
――残り、900メートル
ゆっくりと地面に伏せる。
――残り、800メートル
「ねぇねぇ昇、逃げないの?ヤバいよ?シャレにならないよ?」七花がうるさい。
――残り、700メートル
スコープを覗いて十字線をドラゴンの頭部に合わせる。ほぼ無風。ここからだと弾丸の落下も丁度いいハズだ。
――残り、600メートル
七花が横に伏せた。黙って俺の右手に手を添えてくれる。その優しさがとても嬉しかった。ただ、そこにいると風圧でヤバいよ?
――残り、500メートル
最後の微調整をして、呼吸を止め、引き金を絞る。反動で体が飛びそうになるが、何とか抑えつけた。銃口から出たガスが空気を揺らし、大量の砂ぼこりを舞い上げる。
「ひっ!?目が、目がぁぁぁぁ~~~~」七花が苦しんでいる。
放たれた弾丸は音の三倍以上の速さで一気に500メートルの距離を詰め、ドラゴンの頭に着弾した。そして、ドラゴンの頭を見事に消し飛ばした。うわぁ、エグい。頭が無くなったドラゴンはゆっくりと地面に落下し、派手に砂ぼこりを舞い上げて動かなくなった。
俺は理解した。
「あ、銃ってやっぱチートだわ」
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