あとがき
あとがき:キャラ設定&没エピソード
~アリア・B・フリクセル~
主人公であり、語り部です。
元騎士、巨乳、怠惰。元騎士とはいえ戦闘は専門外で、作中ではそれ故敵を前にすれば逃げることしかしていません。作中でも言っている通り走力には自信があるようで、実際足は速いですが、これがどこで培われたかは……アリアが騎士団へ入った頃のお話が書かれることになれば判明するやもしれません。仁義というひと癖もふた癖もある呼び名についても同様です(本作を書き終えた後に着手した作品、『鳥籠ついばむアリアさん ~おっぱいは世界を救う~』にてこちらは多少触れられています)。
作中で『筋肉痛が当日中に来ない』などと言っているあたり、小説の主人公あるあるの十代の若者という訳ではありません。二十代半ばです。
二十代半ばという若さで豪邸に住んでいたり、医者でもないのに大陸中を騒がせた伝染病を解決していたり、魔法云々のことを割とすんなり認識して理解していたりするあたり、主人公でありながら謎は多いキャラクターです。
~セシリア~
主人公アリアの元上司であり、騎士団の現C隊隊長です。
騎士団C隊は、CIAとホワイトハウスの要素を合わせ持つような機関であり、セシリアは隊長としては三代目になります。
設定を考えていた初期ではそれほどフォーカスの当たらなかったキャラなのですが、基本的に怠惰で、面倒事に首を突っ込まないタイプのアリアを事件へ巻き込ませるためには適任なキャラなので、自然と出番は増えていきました。
容姿は作中でも語られますが、薬品のような気味の悪い色の髪、生気の抜けた気だるげな顔が特徴です。
気だるげな顔は、普段の書類仕事が立て込んでいるのもありますが、ユニコーンの角の効果も大きいです。数分のうちに何日分もの体験を繰り返していますので、疲れもしようものです。ちなみに年齢は三十代中盤。
役職柄というのもありますが、平然と他人を利用したりと性格は割とゲスのそれです。終章、種明かしの対価で、アリアに対して「夢だったんだぞ」と臭い芝居をしたのも、「貴方をダークサイドに入れたくない」なんて風な感じを臭わしたのも、実はアリアをダークサイドに自ら足を踏み入らせるのが目的でした。その結果、今回の物語終了後、表沙汰にはならない魔法云々のトラブルにもアリアは巻き込まれていくと……。アリアがセシリアの前では露骨に嫌そうな態度なのは昔からそのような毒牙に散々付き合わされているからに他なりません。
何故このような性格なのかについては、元来そうであったからではなく、C隊での仕事や隊長襲名云々のいざこざがこれに一役買っているのですが、それが語られるのはまた別のお話。性格や手法のゲスさの所以は、後述のコルネリウスもからんではいます。
~パトリシア・ジェラルディーン・ロレンス~
庭師であり暗殺者であり復讐者であり、今回の事件をややこしくした張本人です。結局全ては水泡に消えましたが。
本来は愚直家にて、二人のお嬢様に振り回される苦労人ポジション。胃を痛めつつも従者として面倒見よく接する。そのような日常を送っている描写を描ければと思っていたのですが、本作から執筆を着手してしまった手前それを差し込むタイミングも失ってしまい、作者としては後悔が先に立たぬ結果となりました。
容姿は鮮血を思わせる真っ赤な髪に真っ赤な瞳と、常軌を逸した目立つ見た目をしています。染めていたりカラコンだったりするわけでもなく、自身の色なのですが、実は後天的にこの色に変わっています。何故変わっているのかは別作品、『鳥籠ついばむアリアさん ~おっぱいは世界を救う~』にて語られます。
作中でも語られている通り壮絶な過去を送っており、過去のほとんどの時間は鬱を患っていますし、現在でもそれは引きずっています。
アリアやソーサーが言うにグラマラスな体をしていますが、身体を見られることにはとても強い抵抗があります。その理由は二章の「見覚えのある世界で2」で書かれているとおり、胸にある自傷痕が主な原因です。
鬱が猛威を振るっていた頃、彼女は自分で自分の心臓を取り出そうとしましたが、未遂に終わります。その躊躇い傷が胸の傷です。一応の元ネタは頭部が蛸の某海賊。
自傷痕を見られたくない、というのは後のソーサーの伏線にもなっているのですが……回収が後になりすぎているうえにやんわりとしたほのめかせなのでこれに気付く人はそう多くないことでしょう。詳細はソーサーの項で書きます。
ファミリーネームであるロレンスとは育ての親の性です。捨て子だった彼女に性はないので、育ての親がコルネリウスの手にかかった後はそう名乗っています。
年齢は十九、幼少期の暗殺任務でアンジェリーナに取り入る為に彼女と同い年だと偽っているが実際は一歳年上。
~アンジェリーナ・ヴィオレーヌ・アストリット・サイフォス~
怪力ドアガール。元貴族で、パトリシアは彼女の家の専属庭師でした。
過去にひと波乱あり今は貴族とは言えない立場ですが、今ではパトリシア共々愚直家という貴族の元で暮らしています。愚直家のお嬢さんがアンジェリーナと知り合いで、そのコネと、愚直家当主の何らかの計らいがそうなっている経緯となります。
容姿は緑色の髪に黒猫のような不気味な黄色い瞳と、これまた常軌を逸した見た目ですが、パトリシア同様、後天的に変わってこうなっています。
パトリシアとは対になっているようなキャラです、見た目は赤と緑。立場は貴族と従者。性格(症状?)は鬱と躁(今ではハイテンション気味なだけですが)、二人で一セットな所があります。
物語後半で登場した際は戦闘要員、およびパトリシアを引き留める役とふざけていられる場面でもないので普段の彼女の調子は控えめですが、基本的には導入でやらかしているようなことが常です。本人に悪気はないにしろ、自由人でありトラブルメイカーです。
彼女には多くの兄弟がおり、彼女はその末女でした。後目の育成に力を入れた両親の関心を引くべく、幼少期にそんなトラブルメイカー気質は形成されました。それが裏目に出て阻害される結果を招き、後に伝染病の大本となって家を追い出され、以来彼女はしっかりと自分に向き合ってくれる存在に飢えていました。
ソーサー戦で取り乱した際、ブライアンの言葉で正気を取り戻したのはそれが理由です。
年齢は十八、作中で酒を飲める歳ではないと書かれていますが、割と少女と呼称していいのか本気で悩みました。
~ブライアン~
騎士団B隊隊長。
B隊は作中でアリアが言うとおり、迎撃や攻撃が担当の隊です。
その隊の隊長である彼は騎士団でもトップクラスの手練れです。
達人らしからぬ超絶教科書通りの基本的な剣の扱い方をするのですが、戦闘は専門外のアリア視点ではそれは書けませんでした。格好をつけたがる性分ではあれ、こと剣においては奇抜なことは一切しません。作中でアリアの言う『魔法としか言いようがない』ことは剣に身を捧げると決めた手前よほどのことにならない限り使いたがりませんが、行使する際は剣を回したりと"普通ではない"所作の元に使用したりと彼なりにこだわりはあります。
性格は紳士的だが人見知りで中二病。アリア曰く「知れば知るほど残念」なタイプの人間です。現在は四十代半ばだというのにいまだに中二病は治っていません。
騎士団の各隊の構成員の数は千を優に超え、隊という呼称は正しくないのですが、名前が変わっていない理由はこの男がひとつ噛んでいます。
セシリアはC、ブライアンはBとお気づきの方も多いでしょうが各隊の隊長の頭文字は隊の名前と一致します。セシリアはC隊の三代目隊長。ブライアンはB隊の初代隊長です。
隊を発足する際、当時の手練れの五人がたまたまアルファベットのABCDEだったからという簡潔な理由で各隊の名が決まりましたが、後に各隊の規模は増大し、名を~団へと変えるべきかという話題になった際、今後の隊長のイニシャルが必ずしも隊の頭文字と一致するとは限らないとのことで、まったく新しい名前を彼は考案しました。
中二病のセンスが光る名前にその場の全員はドン引きし、「今のままでいいや」という意見が満場一致し、今に至ります。
作中でアリアは彼が剣を抜く姿にどこか憂いを感じていましたが、それは彼が強くなりすぎて、剣で並び立てる者がいなくなってしまったからです。
本当はもう少し複雑な事情があるのですが説明すると長くなるので割愛します。騎士団長が主人公の過去編とかで明らかになる……かも。
~コルネリウス~
二代目C隊隊長。
出自をあまりを問わない騎士団においては珍しい、貴族家の人間。
アリアやパトリシアにとっては悲劇の元凶とも言えるようなキャラクターです。パトリシアの狂気の引き立て役のような役回りになりましたが、一応は政治や情報操作についてはやり方は汚いもののC隊の隊長の席につけるだけの実力はあるという設定です。本人も変装の達人であり、隊長となってからはともあれ彼自身が要人を暗殺しに行くことも多く、必ずしも分不相応な席というわけではありませんでした。
ですがC隊の初代隊長は彼を後釜とはしたくないとし、セシリアを推していたのですが当時若輩であったセシリアを頭に置くというは反感の声も強く(特に貴族側の人間には)結果的にはコルネリウスが二代目となりました。
元来のコルネリウスはあまり出世欲のある人間であったというわけではないにしろ、"貴族という括りに翻弄された駒"となってこの席につき、全てにおいて秀で過ぎていた初代C隊隊長と同じ采配は出来ず手を率先して汚し、終いには内外から疎まれ背中を刺される。そのように彼にもフォーカスを充てた話を書くつもりではいましたが、本作を書いていた際の私の力量ではご覧の有様です。
ちなみに紅茶派。暗殺者のコードネームは彼が付けたものです。
ちなみにアリアはコーヒー派。初代隊長はミルク派。セシリアは愛え――。
~シレット~
放火魔の暗殺者。
アンジェリーナ程ではないにしろ怪力で、不名誉除隊の元騎士。
相手の一番望むものを一番望むタイミングで与えて殺す、というポリシーを持つ。
ついでに言うと信心深い方だが、それは自身の悪行を理解しているが故の、罪滅ぼしという名目の逃避である。相手の望むものを与えて殺すというのも同様。殺人がよくないことだと心のどこかで分かっていつつも、衝動を抑えきれないのでそんなはた目から見ればよく分からないことをしている。たぶん本人もこれでいいのかはよく分かっていない。
性格にいろいろ問題があるにしろ、戦闘力は作中でセシリアが言うように高い部類。
アンジェリーナがソーサーと戦っている間に、裏でブライアンに倒されたがそこそこ善戦している。
アリアが十年前の世界で働いていた新聞販売店の者は元騎士でそこそこの手練れだが、シレットには一方的に蹂躙されるという、彼を立てるサブストーリーの没案があるが刺し込みどころがないのでお蔵入りとなった。
~ソーサー~
子供の暗殺者。
Sっぽい言動をしているが、実際は虐げられていた側の過去を持つ。
体中にある傷痕がそれを物語り、パトリシア同様これを見られることに強い抵抗がある。というか見られると正気を保てなくなる。その結果が……。
虐げられていた側である過去と自分を嫌っており、それらの裏返しで、目を逸らすためにあのような言動をとっているわけだが、それらを説明するパートの刺し込みどころがなかったのでお蔵に。
ちなみに誰かに頼まれないと人を殺さない、というのは虐げられていた頃の名残。
許可なく何かをしてはいけないという認識が消えることは死ぬまでなかった。
これら以外にも多数のモブは出てきました。
魚屋の夫妻、ニコラス・ニコルソン・ジュニア、新聞販売店の者、死体安置所の男などなど……。
死体安置所の男はニコラスの言う「大好きな死体と共に死体にしてやる」を裏付けるために死体姦をしている描写を入れようかとも考えたりするも、キモいしR18になりそうなのでボツになったなど、モブ一人一人にもまだ語りたい事はありますが長くなりそうなので割愛します。モブらしい処置といえるので彼らも納得してくれることでしょう。
ちなみに咄嗟に思いついた割には、モブのニコラス・ニコルソン・ジュニアという名は妙に気に入っています。殺すには惜しい男だった(?)
多くを述べましたが、良くも悪くも処女作。設定を活かしきれていない他、"続編"から投稿をする凶行等、至らぬ点は多々あった物語かと存じますが、拙い物語にお付き合いいただき、ありがとうございました。
鳥籠ついばむアリアさん2 ~野外露出でタイムリープ~ フランスの緑茶 @katelafrance
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