懺悔5
家へ帰ると私は彼女を生きたまま解剖を始めました。
感染症を防ぐためにコンロで炙った包丁を使い、彼女の腹部を下へと裂いて下半身と上半身へと分断しようとしますが背骨の骨の硬さに思ったより時間が掛かりました。
痛さからのたうち回り、くぐもった声を彼女を押さえつけて私は丁寧に臓器を取り出しました。
そして私の腹部にも包丁を突き刺すとが内臓を傷つけないように皮、脂肪、筋繊維を切り裂きました。
痛みに手元が狂いそうになるのを舌から血が滲み出るほど歯を食いしばって耐えました。
私は時間を掛けないように動物実験で学んだ知識と技術を駆使して彼女の臓器を私の腹内へと縫いつけて行きました。
神経も同じように縫い付け、時には結合させて私の腹部には彼女の上半身を取り付けることに成功しました。
こんなことで満足しては要られません。
私は下半身の取り付けへと取り掛かります。
下半身は太ももの付け根から切断しました。
そして左右の骨盤の辺りに同じ要領で縫い付けて行きます。
残った骨盤と子宮でしたがそれは私の秘部へと二度と離れないように結合して縫い付けました。
その時、私と彼女が求め続けた愛の究極の形へとたどり着くことが出来ました。
手術を終えたばかりの彼女は眠っていましたがきっと彼女も喜んでくれるはずです。
私は彼女とかの気持ちを共有したかったですが自分の努力が報われたのと大願が叶ったことに喜びを抑えられず、彼女の乳房の上に涙を零しました。
しかし彼女と一つになってから数日経っても彼女が眼を覚ましません。
そして私はある検証を怠っていたことに気付きました。
それは成功した実験動物の覚醒の有無でした。
私は急いで実験動物の元へと向かいますが彼女の体を自分の体の前方に取り付け過ぎたせいで上手くバランスが取れません。
それでもできるだけ急いで実験動物の元へと向かうと今まで失敗してきた実験動物と同じく鼻を突くような悪臭と濁った緑の液体を垂れ流しながら動かなくなっていました。
私はその瞬間、嵐のように感情が吹き荒れ、地の底から這いあがってくるかような雄たけびをただひたすらに叫び続けました。
どれぐらいの時間がたったのでしょうか?気付くと喉から口を真っ赤に染め上げる程の血が溢れ、全身から感じる倦怠感から私は膝から崩れ落ちました。
そして感情の嵐は過ぎ去り、静まり返った心の中に残った絶望を感じました。
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