第2話 アベルシステムと重複

Aアダム数とEヱヴァシステムにより、すべての自然数を数える事ができるようになった少年は、A1という名前の数をまだ作っていないことに気づきました。


そこで少年は、A・・AとA回繰り返した数をA1とすることにしました。

さらに、


A・・AとAをA1回繰り返した数をA12、

A・・AをA12回繰り返した数をA13

A・・AをA1α2以上の数回繰り返した数をA1βαの次の数


というように順々に名付けていき、このシステムを、


Kカインシステム


と名付ました。


これに気をよくした少年は、

さらなる拡張をしてより強いシステムを作っていきます。


まず少年は、


A1・・A1というようにA1をA1回繰り返した数をA21

A1・・A1というようにA1をA2α回繰り返した数をA2β

A2・・A2というようにA2をA21回繰り返した数をA31

A2・・A2というようにA2をA3α回繰り返した数をA3β

Aα・・AαというようにAαをAγ2以上の数1回繰り返した数をAδγの次の数1

Aα・・AαというようにAαをAγα回繰り返した数をAγβ


というように拡張していき、このシステムを


Aアベルシステム


と名付けました。


しかし、A5・・・A5というようにA5をAA1回繰り返した数がAA2になってしまい、これでは、AAの次の数と重複してしまう事に少年は気づきました。


少年はなくなくこのシステムをあきらめ、なかったことにしました。

少年にとっての最初の没システムです。


しかし少年は諦めませんでした。


A1・・A1というようにA1をA1回繰り返した数をA11

A1・・A1というようにA1をA11回繰り返した数をA112

A1・・A1というようにA1をA11α回繰り返した数をA11β


A11・・A11というようにA11をA11回繰り返した数をA111

A11・・A11というようにA11をA111回繰り返した数をA1112

A11・・A11というようにA11をA111α回繰り返した数をA111β


A1…1・・A1…1というようにA1…1をA1…1回繰り返した数をA1…11

A1…1・・A1…1というようにA1…1をA1…11回繰り返した数をA1…112

A1…1・・A1…1というようにA1…1をA1…11α回繰り返した数をA1…11β


というように、アベルシステムの真ん中の数をすべて1で表現することによってアベルシステムと同等の強さを持つシステムを作る事に成功しました。


少年は、このシステムを


Sセト|システム


と名付けました。


こうして少年は当初の数えるという目的とは逸脱し、より短い文字数でより大きな数を作るシステムを作ることに快感を覚えていくのでした。


・・次回 ノアシステムとネフィリム少年

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5までしか知らない少年 @premyself

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