応援コメント

第4.5話 科学考ノ後」への応援コメント


  • 編集済

    ちょっと本筋から離れますが、科学の完成があり得ないことの証明は、既に数学で証明されてますよ。これは悪魔の証明ではないです。ゲーデルの不完全性定理といいます。


    より厳密にいうと、数学の世界で「数学に矛盾がないことを数学的に証明しよう」というプロジェクトがあったんですけど、それに対して、当時無名だったゲーデルという男が「数学は自己言及のパラドックスを証明も反証もできない」という定理を数学で証明してしまいました。この証明により、数学には矛盾があっても証明できないことになります。(しかも、プロジェクトを立ち上げた大御所数学家が、その証明が正しいことを検算して確かめ、無名にメンツを潰されたにも関わらず即座に認めて讃えたという、カッコいいエピソード付きです)

    そして、この定理の衝撃は、数学界に留まりませんでした。数学はあらゆる論理文を計算式に変換できるので、人間の脳が理解ができる範囲、説明できる範囲は数学の証明できる範囲とほぼイコールなんです。
    なので、本文にあるように、全てを証明し尽くしたことの証明は証明できませんが、証明不可能な範囲が存在することは証明されてしまいました。よって、人間が人間である以上、決して解けない問題があること、科学は科学である以上、真理に到達できないことが、科学的に証明されたことになります。

    よって、完全な科学は存在しませんが、本文で触れているような、人間が生きるために必要なコストを自動的に生産するレベルの科学技術は成立すると思います。というか、前の感想で述べた人格コピー技術は今の技術進歩速度のままなら、あと60年で到達するくらいには割と近未来の話です。生きてる内に完成するかもしれません。
    全人類人格コピーしてコンピュータ上の仮想空間で生きると仮定すれば、コンピュータの処理速度は遅くていいのでスパコンを宇宙に打ち上げて太陽光発電で賄えますから、充電時間も不要で作中でいう完全な科学と同じことができますね。

  • 成程...本当に面白い考え方だと思いました。

    完成した科学に裏打ちされたVR空間が、この世界、ですか...確かにその可能性も高そうです。


    以下、余談。

    僕の場合は、この世界は誰かの物語の中だと考えています。
    理由は拙作の中で何度か語っているので割愛しますが(笑)

    で、それを踏まえた上で、少し否定的な指摘になってしまいますが、


    『もしもこの世界が完全な科学に裏打ちされたゲームなら、あらゆる可能性は有限で閉じてしまう』

    という事だけが、少し気になりました。


    ″人間″の創作物である″物語″には、当然ながら不完全性、語られぬ領域があります。
    それ故に、世界を物語と仮定すれば、当然ながらその不完全性が可能性を創ってくれます。

    しかし、完成した科学、即ち″神″の創作物には、当然ながら不完全性など欠片もありません。
    となれば当然可能性も有限で閉じたものです。語り尽くせば、知り尽くせば終わってしまいます。

    以前現夢様が、可能性は無限だと信じていると仰られていたのを思い出して、不躾ながら指摘させていただきました。

    個人的には、どちらの考え方も間違ってはいないと思うので、単なるロマン、思想の問題とも思えますが。

    何はともあれ、非常に面白いお話、有り難うございました。