2日目 約束

 今日も縁側に座って彼女との会話を楽しむ。



『ねぇ、いつになったらまた遊んでくれるの?』


「上手くいけば来年、かな」



 そう、上手くいけば。英語やらなきゃなのに。昨日とは打って変わってどんよりとした重そうな色の空のせいで勉強する気にもなれない。手元にある単語帳も僕の手遊びの道具へと成り果てている。



『上手くいかないことってあるの?』


「そりゃあ僕が勉強ちゃんとしなかったら上手くいかないね」



 そりゃ受験だもの、大学受験。だから勉強しているんでしょうよ。──ここに来てからはほとんど出来てないけどな、お前の相手せいで。



『むぅ……じゃあいつになったらあの約束、果たしてくれるの?』


「うーん、個人的には二人とも18になってからやりたいかな……最終日、やろうか。僕の誕生日」


『やったー!!』














 僕の初恋は夏祭りの少女。


 ドンドンと太鼓がその場にいる者を盆踊りの渦へと巻き込んでいく。その圧に負けじと焼き鳥を頬張る僕の目に留まったのは、真剣にヨーヨーを釣る白い浴衣の少女。一目惚れだった。その真剣な横顔に見惚れて焼き鳥を落としたのは笑い話。



 その夏祭りのあと公園で再会した。数回一緒に遊んで約束した『○○○○○』、今でも忘れてなんかいないよ。





 僕はまだ彼女に恋している。


 今日もまた僕は君に恋をする。

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