事件の終結
翌日、またも死者が出た。しかも次は十数名だというのだから怖い。
殺害されたのは今回の怪事件の捜査に関わっていた警官達。それも同じ部署勤務である。
殺害方法も多岐にわたっており、一貫性がない。残った署の警官は怯えに怯え切っている。
次は俺が殺されるんだ、とか。死ぬ順番に法則性とかないのか、とか。遺言書残しておくんだ、とか。今のうちにばあちゃんに口座番号教えとく、とか。家族にお別れの言葉を、とか。総じて恐怖に囚われている。
同日午後三時、政府から緊急の声明が発表された。
『国内における警察機関の弊害となっている本事件は、人々を恐怖に陥れ国民の安全をも脅かしている。本事件の対策として各市区町村によるブラウン管テレビの廃棄を命じる』
この期に及んで、政府の対策案に反対する者はいなかった。
後日各市区町村において、廃棄用に臨時の施設が造られた。恐怖の主因となっているブラウン管テレビを回収し残さず廃棄していった。
約二か月後、政府は新しく声明を発表した。
『全国からブラウン管テレビの廃棄が終了したと報告を受けた。ここにブラウン管テレビの全廃棄の達成を宣言する。人々の恐怖は大分落ち着き国民の安全が図られたことだろう』
取り戻した平和に日本中が沸いた。
多数の死者を出した今回の怪事件は一応の収束を迎えたのである。
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