タイトルからして純文学かな、と予想しつつ読み始めたが、やられた。何に? クラゲに。クラゲのような主人公に。主人公によるクラゲへの復讐劇であった。何も水槽を漂うクラゲにそんな敵意を抱くことはないのでは……?と侮っていると、やられる。確かにところどころ伏線が張られていたことを、読後思い出す。主人公の立場、クラゲの立場、先生の立場。結局みんなクラゲのようなものでした。シュールかつ秀逸な短編、ありがとうございました。