短歌・夏
地を濡らしはしゃぐ狐の嫁の入り 青い無音が沁みわたるかな
梅雨明けの翳りなき陽も疎ましく 文月来るもわづらはしきや
梅雨明きて窓の運河も色深し 赤潮昇る真夏なめり
大風に戻りくる梅雨雲厚く 行きしものより激しかめり
海開き山も開きて七夜月 境ぼやけて人も去ぬるや
通り雨 溶ける気温も和らぎて紅き運河も黒になりけり
色衰う葉月は祈祷繰返し遠くへ去ぬる命哀しや
夏明けず暴れ野分も力増し御世の終ふると掻き捨つるかな
花の名を思ひ出す間に盛り過ぎあれは茉莉花もしくはトベラ
晴れ渡り近付く空は青の濃く運河は赤く夏近付けり
文月の卯月の如き陽気にて皐月の暑きを懐かしむ
子を過ぎて窓を綴じる雨音に閉じれぬ耳は冴えて眠れず
梅雨明けて暑くなるらし秋間際俄の夏に悲鳴も萎ゆる
窓の外運河の色を測りては秋の遠きを嘆きたる
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