大きく回り道をしてここへ戻ってきたという感覚がしました。
痛いことに直面しないように物事を歪めているうちに自分の本来まで歪んでしまうのが痛々しいような、歯がゆいような。それがこの年頃の特徴なのでしょうか。僕は中二病という言葉をよく知らないのですが、冷めたような感覚でありながらセックスがすべてを解決するみたいな短絡的な子どもっぽさも混じっていてなんとも言えないバランスだなと思いました。朝子の死は大きな成長材料になった気がします。
兄は可愛そうな人間だなと思いました。この人も複雑ですね。彼が二十歳をこえることができるのを願ってしまいます。
繊細な内容で、見当違いなコメントを続けてはいけないような気がするのでここまでにします。印象的なフレーズが多く、色々と感じるものがありました。ありがとうございます。
作者からの返信
柊圭介さん、コメントありがとうございます。
僕は人生を大きな回り道、寄り道だって思っているのかも知れません。
だから、柊圭介さんが感じられたことは正しいと思います。
中二病という言葉を僕は表面的にしか理解できていない可能性はありますが、現象としては「いま・ここ・私」ではない何か誰か、魔法が使えるとか、幽霊が見えるとか、変な語尾で喋るって言う、キャラクター(目に見えないもの)を纏って、本当の「(ちっぽけな現実の)私」を隠してしまおうとする行為なんだと思います。
そんな本当の「私」からへの逃避にセックスは丁度良かったんでしょうね。
兄のあれこれは、「南風に背中を押されて触れる」という六年後くらいの話で書いているんですが、露骨な宣伝になってしまって恐縮です。
もし、ご興味があれば覗いていただけば幸いです。
まったく見当違いなコメントではなく、改めて僕自身いろいろ考えさせていただきました。ありがとうございます。
最後まで読ませていただきました。
生きることは、変わることなのでしょう。
望む変化も望まない変化も。
本当に秋穂を愛しているのだと伝わってくるラストでした。
まだ膨らんでいない胸に触るところがすごく好きです。
性欲以前の「触れたい」という欲求が美しく描写されていて、胸に迫りました。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
最後まで拙い本作を読んでくださって、ありがとうございました。
天上杏さんのコメントは的確だな、と背筋が伸びました。
行人が抱えていたものは確かに性欲以前のものだったんでしょう。
僕自身そういう言葉を持って本作を書いた訳ではなかったので、
自分の知らない作品の一面を教えていただけたような気持ちになりました。
ありがとうございました。
タイトルの意味が分かりました。
他の方もおっしゃってますが、素敵なタイトルですね。
物語中の大きな事件というと、たぶん朝子ちゃんのことだけで、あとはわりとありそうな日常がほとんどだったような気がします。
それなのに、ここまでグイグイ読ませてしまう筆力がすごい。
ハラハラドキドキではなく。
行人くんや他のキャラクターたちに、共感したり、ちょっと驚いたりしながら、彼らのその先を知りたいと思えるような物語でした。
お兄さんの最後の暴力が、行人くんを前へ進ませるためのものだったのが印象的です。兄弟関係は今後はよくなっていくような予感がしました。
っと、あまり書くとレビューが書けなくなってしまう!
これからゆっくり書いてみます~。
作者からの返信
コメントとレビューまでありがとうございます!
すごく、すごく嬉しいです!
タイトルの意味が分かるってお言葉がこんなに嬉しいとは思いませんでした。
おっしゃっていただいた通り、物語の核にいたのは朝子で
彼女がいなければ、もっと地味で何でもない青春小説になっていた気がします。
行人くんや他のキャラクターの先を知りたいと思っていただけるのは、一番の褒め言葉でです。
ありがとうございます。
僕の小説は幾つか繋がっている部分があって、21歳になった行人くんと秋穂が登場する小説があります。
もしよろしければ、どこかのタイミングで彼らとまた再会していただければ嬉しいです。
読んでくださって、本当にありがとうございました。
子供から大人へと成長する、思春期の未完成なそれでいて、真剣で純粋な思いが伝わりました。
行人のセックス願望は、現実逃避ではなく生そのもので好感が持てます。
登場人物全てに感情移入が出来ました。キャラ設定がぶれていないから……さすがです。
タイトルも素敵。すでに小説家ですね。
作者からの返信
コメントくださって、ありがとうございます。
通知で知って、すぐに読んでくださったんだ、と驚きました。
星都ハナスさんのエッセイを読んだ時、
しっかりと自分の文体を持った人だと思っていました。
そんな方から、すでに小説家だと言っていただけるのは
小躍りするくらい嬉しいです。
また、すごく丁寧に感想もくださって、
なんと言えばいいのか……
「行人のセックス願望は、現実逃避ではなく生そのもの」
自分で書いておいて、確かにその通りだったんだろうな、
と気づきました。
本当にありがとうございます!
はじめまして
コメント失礼致します。
星都ハナスさまのエッセイからこちらの作品を知り、あまりの素晴らしさに、あっと云う間に読み切ってしまいました。
言葉にすべき感想、というよりも胸の中にとどめておきたい『何か』が生じる繊細な心の機微を描くことの出来る郷倉さまは、凄いとただただ思うのでした。
素晴らしい物語を、ありがとうございました。
作者からの返信
石濱ウミさん、はじめまして。
「あの海に落ちた月に触れる」を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
本当に一気に読んで下さったのが分かり、書いた作者としては感無量です。
星都ハナスさんには本当に足を向けて眠ることができません。
今回、石濱ウミさんがおっしゃっていただいた通り、「あの海に落ちた月に触れる」を書いていた頃、僕は言葉にとどめ続けていた『何か』の輪郭をなぞろうとしていたような気がします。
コメントをいただくことで、当時のことを少し思い出しました。
こちらこそ、コメントをありがとうございました。