第9話 質量やエネルギーは関係性に存在する

 すべての関係性を排除して最後に残った点には質量もエネルギーもない。では質量とエネルギーはどこへいってしまったのでしょうか。この仮説によるならば分解する際にそれは関係性と共に排除されてしまったことになります。

 逆に言えば質量やエネルギーは関係性の上に存在するものだと言うことです。ここで有名な式を引っ張り出しましょう。ご存知「E=MC2」です。この式を言葉で言えば「エネルギーは質量に光の速度の二乗をかけたものに等しい」と言うことを表しています。この式の中に「速度」という項目が入っていることを考えてみてください。速度とはどのようなものでしょうか。

 新幹線は時速300キロで走りますがその速度は地面と言う基準があるから計ることが出来ます。もしこの宇宙にその新幹線だけしか存在せず他には塵一つない場合は速度を計ることはできません。速度とは相対的なものであり二つ以上の物がなくては発生しない概念なのです。

 速度とは二つの基準点の間における距離の時間変化という関係性の数字です。速度が関係性である以上、関係性がなければ質量もエネルギーもないと言うことになります。「E=MC2」この有名な式も一つの事実を示唆しています。

 質量やエネルギーは物質そのものにあるのではなく物質と物質の「関係」に存在するのです。

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