第7話 現代差別問題根絶研究会インクルーシビティ
+今聖子(コン・セイコ)との出会い。現代差別問題根絶研究会インクルーシビティ
ニュースアナ「今朝未明、ホンニチテレビの社員のカメラマンの遺体が首を切断された状態で、自宅で発見されました」
ニュースアナ「警察の調べによりますと、現場には「長年の差別の復讐」と書かれたメモが残されていたため」
ニュースアナ「警察は連続首切り事件の犯人と同一犯の仕業の可能性があるとして捜査しています」
大学の学生食堂でラーメンを食べながらニュースを見るリコたち
ニュースアナ「それでは、警察の捜査本部の記者会見から中継です」
捜査本部長「えー。先週から、起きている連続首切り事件についてですが・・」
本部長「犯人は、日本ムスラム国。差別取締局と名乗っており、長年の差別の復讐から犯行をしているとみています」
記者「差別取締局は複数犯ですか?単独犯ですか?」
本部長「まだ、わかりませんが、殺害現場の状況から単独犯と考えています」
タクヤ「単独犯なのに、局?なんか、おかしくないか?」
ジハン「おかしい。何かある」
記者「単独犯なのに、なぜ差別取締局なんですか?」
本部長「犯人は偽のムスラム教を信じており、ムスラム教では個人崇拝が禁止されているので、差別取締局と名乗っていると思われます」
ニュースアナ「この事件でムスラム国の戦闘員が日本にいる可能性もあるという見方から株価はストップ安になり、日本への観光旅行も相次いでキャンセルが続いています・・」
記者「ムスラム国のテロですか?」
本部長「ただの殺人事件です!日本では絶対テロはおきません!ムスラム国とは関係ありません!日本にはムスラム国の戦闘員はいませんので、どうか安心して外国人の皆様は日本に観光しに来てください」
タクヤ「でた!日本の恥の文化!世間体第一主義!臭いものには蓋をするヤツ!どうみてもテロでしょうに・・」
記者「長年の差別への復讐とは、どういう意味でしょうか?犯人は何に対して怒って犯行しているのか?」
本部長「ムスラム教に反する価値観を押し付けられ差別されたことに対して、怒っていると考えています」
本部長「政府関係者やマスコミ関係者など差別に関わった人物に対して取締りが行われムスラム法にのっとり刑が執行されている」
ジハン「特定の価値観を押し付けられ差別されれば、自分の価値観を守ろうと戦争をするなんて当然よ!」
ジハン「歴史が証明しているわ。日本だって太平洋戦争の時、欧米的価値観が嫌だって戦争してたじゃない!」
タクヤ「そうだな・・マスコミは散々、勝手な価値観を押し付けて色々、底辺や若者をディスってきたからな・・そりゃ恨まれる」
記者「どのように住所情報を入手しているんですか?」
本部長「政府やマスコミにハッキングして手に入れたとみています」
タクヤ「案外、リコみたいにSNSから住所を特定していたりして・・」
ジハン「まさか!リコの仕業か?」
リコ「違いますよ!」
タクヤ「でも、リコ以外にSNSから住所特定できる奴なんているのか?」
リコ「僕より上なんて五万といますよ!欧米ではネットで敵の住所をばらす行為をドキシングと言われ、人種差別問題で使われてますからね」
タクヤ「人種差別問題??」
その時、一人の女性がリコのもとに走ってきた。
今聖子「いた!!足立利虎くぅぅん!!!」
リコ「あっ、はい!なんでしょうか?」
今聖子「あたし!こういうモンです!」
そう言うと女性は名刺を手渡した
リコ「サークル名。現代差別問題根絶研究会インクルーシビティ部長・・・」
今聖子「インクルーシビティは世の中から差別をなくし誰一人孤立化させない社会をつくり・・・」
リコ「あぁ・・・僕は、そういう左翼的なのは、ちょっと・・・遠慮します!今(イマ)聖子さん」
今「コンです!」
タクヤ「あっ、韓国の方ですか?」
今「違います!東北では、よくある名字です!」
リコ「僕に何の用ですか?今(イマ)部長」
今「コンです!コン!キミ、アレ!アレ!ホラ!欧米でよくやられてる住所を特定するやつ」
リコ「えっ?」
今「SNSから住所を特定して晒す!なんだっけ?マイチング?ドキチング?」
リコ「ドキシングですか?」
今「それ!」
今「ね?ウチのサークルに入ってさ!ネットで差別している人の住所を特定してよ!」
タクヤ「特定してどうするの?」
今「もちろん!家に行って直接抗議したり、ネットに差別している人は、この人ですって!やるの」
タクヤ「それってやばいんじゃ」
今「なんで?アメリカでは白人至上主義者がSNSから住所が特定されて家に直接抗議されているわ!」
今「日本が遅れてるのよ!」
ジハン「でも、白人至上主義に反対するアンチファや反レイシスト運動家の家も特定されて」
ジハン「テロリストがいると嘘の通報がされたりピザをいたずらで大量注文されたり報復もされているでしょう?」
今「じゃ、差別を野放しにしても、あなたはいいの?」
今「マスコミが差別をやりたい放題やってきたから、社会がマスコミによって分断され、差別された人が、今ニュースでやっている事件みたいな報復事件を起こしているじゃない!」
ジハン「別に、あたしは差別を野放しにしていいとは言ってません!アタシも中国人で日本のネット上の書き込みは気になるときはあります」
今「じゃ、うちのサークル入って!(*´Д`)」
ジハン「私は、ホワイトハッカー研究会に入ろうと思っているので、それにリコをスカウトしに来たのでは?」
今「リコ君!どうかな?」
リコ「僕は、両親がいない家庭で、貧乏なのでサークルは入らない予定です。バイトと学業が忙しいんで・・」
今「えぇえ!!なんで!せっかく大学に入って、サークルに入らないなんて勿体ない!」
リコ「僕もサークルに入りたいですけど、貧乏ですから」
今「両親がいないなら生活保護が貰えるでしょう!大丈夫大丈夫!」
リコ「生活保護を貰うと大学に行けないんです・・・すいません。失礼します」
そう言ってリコは思いつめたように席を立ち食堂を後にした
今「えっ・・・生活保護を貰うと大学に行けないの?・・・」
ジハン「日本って変、留学生のあたしには学費も生活費もだすのに自国民の貧しい若者には何もしないなんて」
今「あたし生活保護を貰うと大学に行けないとか知らなくて、なんかまずいこと言っちゃったかな・・」
今「どうしよ・・そんなおかしな話があるなんて知らなかった・・」
タクヤ「おかしいですよねー。まぁ日本政府は日本の若者が嫌いですから・・」
タクヤ「それより!今(イマ)部長!結構、美人で今(イマ)風すね!今(イマ)だけに!・・サークルに俺なんてどうです?」
今「コンです!あなた誰?」
タクヤ「えっ?湘南のドンファンこと、桐谷タクヤです!タクヤは日本で一番イケメンが多そうな名前ランキング・・・」
今「あっ~ハイハイ!チャラ男さんね!」
タクヤ「失礼な!湘南のドンファンです!」
今「チャラ男やないかい!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます