第8話 僕には関係ない。金持ちになれるのは金持ちだけ・・・
+僕には関係ない。金持ちになれるのは金持ちだけ・・・By リコ
構内を歩くリコ
そこでは、新入生に対してサークルの勧誘活動が盛んに行われていた
マルウェア研究会「マルウェアの研究をするサークルです!いかかですか!」
バグハンター同好会「集え!バグハンター!バグを見つけるだけの簡単なサークルです!」
ハッカーアニメ研究会「ハッカーアニ研!大学さぼって毎日大学でアニメ見れるよ!」
ハッカーゲームスポーツ同好会「ハッカーゲームスポーツ研だよ!講義さぼってネトゲできるよ!」
たまにはパソコンを離れて野球しようぜ!の会「もうハッキングのことは忘れよう!サッカーのことも忘れよう!野球やろうぜ!」
貧しい自分にはサークルは関係ないと思い。スタスタ歩くリコ
リコ「僕には関係ない・・・関係ないんだ・・・」
心の中で諦めているリコ
しかし、あるサークルがリコの心を揺さぶり
リコの足を止めた
ホワイトハッカー研「ホワイトハッカー研に入れば将来安泰!年収1000万円。中央区のタワマンに住めて美女にモテモテ!」
ホワイトハッカー研「ウチのサークルに入れば将来ホワイトハッカーのドン・ファンになれるよ!」
ホワイトハッカー研究会「ホワイトハッカー研!に加入しませんか!」
ホワイトハッカー研「就職でも有利だよ!!入らないとセキュアになれないよ!」
リコ「就職で有利か・・・でも、バイトが忙しくてサークルなんて・・・僕には関係ない・・・」
そう思い立ち去ろうとした時、サークルの関係者がリコに声をかける
ホワイトハッカー研「キミ!」
リコ「はい?僕ですか?」
ホワイトハッカー研「ホワイトハッカー研に入らない?」
リコ「あっ、その・・・バイトが忙しいので・・・」
ホワイトハッカー研「でも、ホワイトハッカー研に入らないとホワイトハッカーになれないよ」
ホワイトハッカー研「ウチは大手セキュリティ会社のOB多数排出してるから、先輩から紹介してもらえるから内定貰いやすいよ」
リコ「そ、そうなんですか・・・」
ホワイトハッカー研「よかったら!これ見て!」
リコはホワイトハッカー研に所属している大学の上級生にパンフレットを渡される
そのパンフレットに書かれている内容に驚くリコ
慌てて、勧誘してきたホワイトハッカー研の上級生に尋ねる
リコ「あ、あの、すいません!」
ホワイトハッカー研「なんだい?」
リコ「この、1週間のホワイトハッカー合宿費用で30万円って・・・」
ホワイトハッカー研「ああ!それね、安いだろ?」
リコ「安い?30万ですよ!!」
ホワイトハッカー研「安いじゃないか!現役のホワイトハッカーを招いて講義をしてもらうんだ」
ホワイトハッカー研「一般なら80万円するのを、うちのサークルのOBの人が特別に教えに来てくれるので特別に30万円なんだ!」
リコ「えっ?ホワイトハッカーの勉強をするのに、そんなにお金がかかるんですか!?」
ホワイトハッカー研「そりゃそうだろう」
ホワイトハッカー研「現役のホワイトハッカーの講師を招いて教わったり、パソコンも高性能なのを用意しないといけない」
ホワイトハッカー研「情報処理安全確保支援士の資格を取るのに8万円くらいかかるし」
リコ「えええ!!8万円も・・・資格とるだけで・・・」
ホワイトハッカー研「そんなの普通だろ。普通」
リコ「そ、そうなんですか・・・」
リコはホワイトハッカーになるには、金がかかるという現実的な問題にブチ当たり
打ちのめされる
リコ「結局、金持ちになれるのは・・金持ちだけ・・・か」
そこに楽太郎が現れる
楽太郎「ホワイトハッカー研に入りたいんですが!なんたって!僕はテレビでも話題のホワイト・ハッキャー!(ハッカー)ですから!」
ホワイトハッカー研「ああ!楽太郎君だね!もちろん!歓迎だ!」
ホワイトハッカー研「ホワイトハッカー研は講習会や合宿費用などで色々、物入りだけど君はお金の方は平気かい?」
楽太郎「もちろんさ!この僕は、なんたって!紀州のホワイトハッカーと呼ばれた金持ちホワイトハッキャー(ハッカー)ですから!」
リコ(意味が分からない・・・)
楽太郎「あれぇ?リコきゅん!じゃないですか!君も当然!ホワイトハッカーになるなら、ホワイトハッカー研に入りますよね!」
リコ「僕は、両親がいないのでバイトしないといけないので、サークルには入らないつもりです。」
楽太郎「ええ!そうなの!サークルに入らないと就職で不利だよ!」
リコ「でも、バイトしないと大学に行けなくなるんで・・」
楽太郎「ホワイトハッカーになるには金がかかるなんて常識だよね!まさか!そんなことも知らずにホワイトハッカーになろうとしたとかないよね!絶対!絶対ないよね!」
リコ「えっ・・・」
楽太郎「いくら才能があっても金のない人がプロのスポーツ選手になれないように、ホワイトハッカーも同じ。」
楽太郎「プロスポーツ選手が、子供の頃からスポーツをやり高額なスポーツスクールに通い。お高いスポーツ用具を買い、プロのコーチを雇いスポーツ留学するように」
楽太郎「ホワイトハッカーだって同じさっ!」
楽太郎「子供の頃からパソコンに触れ、プログラミングをやり、お高い専門書を読み、高額で高性能ななPCを買い、現役のプロのホワイトハッカーから教わるために金がかかるのは常識だよね?」
リコ「それは・・・」
楽太郎「あれぇ?まさか!まさか!そんなことも知らずにホワイトハッカーになりたいと思ったの?それマ?マなの?」
楽太郎「両親もいないのに!貧乏なのに!ホワイトハッカーになりたいとかマ?もちろん!子供の頃からパソコンやっているよね?」
リコ「いえ。プログラミングは高校生の時から・・・」
楽太郎「ええええ!!信じられない!!本当にホワイトハッカーになる気があるの??」
リコ「なる気はあるんです。でも、トップクラスのホワイトハッカーを目指さなければ、なんとかなるかなーと思ったんです」
楽太郎「ああそう・・・そうだね!トップを目指さず、パソコン教室の講師とかならね・・」
楽太郎「リコ君は、SNSでパスワード特定した!住所特定したたった!と喜んでいるんだもんね・・・」
リコ(むかっ!)
楽太郎「ごめん!ごめん!僕と君とはレベルが違うんだった!まぁ!せいぜい・・・住所やパスワードを特定して喜んでいてくれたまえ・・」
楽太郎「あはははははっは!!!!」
そう笑いながら、楽太郎は立ち去って行った
リコ(なんて、嫌な奴だ・・・)
リコ(でも、彼の言う通り、ホワイトハッカーになるには金がかかりすぎる・・・)
リコ(考えが甘かったか・・・)
リコ「結局、金持ちになれるのは・・金持ちだけ・・・か」
リコ「(。´・ω・)ん?」
AI研究会「今、話題のAI!AI研に入れば簡単にデータサイエンテイストになれるよ!」
AI研究会「データサイエンテイストは有効求人倍率8倍!介護の仕事より人手不足だよ!」
AI研究会「サークルに入らないと絶対に就職できないよ!絶対だぞ!絶対だからね!」
AI研究会「サークルに入らないで、いい仕事には絶対つけないよ!人生の負け組まっしぐらだよ!」
リコ「最近、話題のAIか・・・」
リコ「ハッカーは諦めてAIのプログラマーになるのが現実的なのか・・」
リコ「すみません!チラシを貰えますか?」
AI研究会「どうぞ!」
AI研究会のチラシを見て驚くリコ
リコ「げっ!」
リコ「5万もする。お高いビデオカードを持っていないと入部できないんですか?」
AI研究会「そそ!機械学習やディープラーニングの処理にGPGPU対応の高性能なビデオカードが搭載されている高性能なPCないと厳しいね」
リコ「自作PCだと、いくら?しますか?」
AI研究会「うーん。自作PCで最低でも20万くらい必要かな・・」
リコ「20万ですか!?」
リコ(無理だ・・・)
リコ「すいません。失礼します・・」
AI研究会「そう、また!気が向いたら来てね!」
それまでリコはネットの動画サイトやブログを見て
プログラミングの勉強していたので
リコはITの勉強は金がかからないと思っていた
しかし、より専門的になればなるほど
高性能な高額PCが必要だったり
高額なソフトや現役のホワイトハッカーの講習会の参加費用
高額な1冊5000円するIT専門書
8万円もする資格が必要など
色々、金がかかる現実を思い知らされていた
リコ「結局、金持ちになれるのは・・金持ちだけ・・・」
リコ「金のない僕にはホワイトハッカーどころかAI開発のデータサイエンテイストすらも難しいのかもしれない・・」
リコ「僕は調子に乗っていた。たしかに僕はパスワードの解析。住所の特定ができる」
リコ「しかし、結局それができても合法的な仕事には結びつかないということ・・」
リコ「アメリカの刑務所をハッキングして捕まったブラックハッカー、コンラッズ・ヴォイツは精神障害者だった」
リコ「アメリカでは貧乏で教育が受けられない人や精神障害で既存の企業への就職が難しい人はブラックハッカーになっている」
リコ「やっぱり・・僕も、ブラックハッカーになるしかないのか・・・」
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