第5話 オウジハンとの出会い


大学の食堂のテレビで、お昼のニュースを見るリコ


ニュースアナ「また、首切り事件です。今度は、労働厚生省の官僚の家が襲撃され3軒の家から首切りの遺体が発見されました」


ニュースアナ「警察の調べによりますと、昨日、公共放送職員が三件殺害された事件と、場所が近いことや」


ニュースアナ「また、長年の差別への復讐とメモが残されており、から同一犯とみて捜査しています」


ラーメンをすすりながらテレビを見るリコ



ニュースアナ「また犯人は、特定の団体に強い恨みを持ち、何らかの手段で職員の住所情報を入手した可能性があるとして、」


ニュースアナ「警察はハッキングされた可能性もあるとして、外部の情報セキュリティの専門家と協力して慎重に捜査しています」


リコ「ハッキングね・・・」


そこに、食堂のトレーにランチをのせたタクヤが現れる


タクヤ「物騒な世の中になったな・・」


タクヤ「隣座ってもいい?」


リコ「どうぞ」


タクヤ「あれも、ハッカーの仕業かな?ハッカーならもっとクールにハッキングとかで殺せばいいのに」



リコ「ハッキングで人を殺せた例は、今のところないはずですよ」



タクヤ「なんだ・・やっぱ海外ドラマとは違うんだな。やっぱりネットとパソコンだけで人は殺せないんだな」


オウジハン「アメリカではネットだけで人を殺した例はある」



オウジハンはハッキング大会で1位を取った。リコのリコーンのスキルに関心を持っていた


食堂でたまたま遭遇したリコにリコーンのスキルについて話しかけようと機会を伺っていた。



タクヤ「あれ?君?中国からきた留学生の?ハッキング大会で2位だった隣の席に座っていた女の子?」


オウジハン「そう」


オウジハン「私、オウジハンよろしく」


リコ「こちらこそ!アダチリコです!リコと呼んでください!」


オウジハン「リコ・・ワタシハ、ジハンと呼んでください」


タクヤ「ちょっと待ってぃ!!!俺の名前はタクヤ」


ジハン「だから・・・ナニ?」


タクヤ「タクヤは日本でイケメンが多そうな名前ランキング1位なんだぜ!ヘッヘッ」


ジハン「あなたバカか?」


タクヤ「なっなんだよ!オウジハンなんてオジハンみたいな名前のくせに!」


ジハン「中国では王は一番多い姓だし!ジハンも女性に多い。何もおかしくない!」


タクヤ「だからなんだよ!俺の名字、キリタニって言うんだぜ!」


ジハン「だから?」


タクヤ「キリッとカッコイイ僕だからキリタニみたいな!わはは!ごめん!名字にまでイケメンがでちゃってるよ!ほんとゴメン!俺イケメンだから」


ジハン「・・・チッ」


タクヤ「今、チッって言ったよリコ!この子!チッって言ったよ!チッって!チッって!人前で!人前でさ!」



リコ「まぁまぁ。落ち着いて!話を戻しましょう。それで、ハッキングで人が死んだことなんてあるんですか?」


ジハン「ハッキングってわけじゃないけど、ネットとパソコンだけで人を殺せた例はある」


ジハン「アメリカでスワッティングのいたずら通報で警察が誤射して人が死んだ事件があるわ」


タクヤ「なに?スワッティングって??」


リコ「特定の住所にテロリストがいるとか嘘の通報してSWATを突入させて嫌がらせをする行為のことです。」


ジハン「そうよ!ゲームの大会に負けた腹いせに、警察にテロリストがいると通報したら警察が誤射して死んだ事件よ」



リコ「確かその事件、ネットのニュースで見たことがあります。賞金150円のゲーム大会に負けてSNSでケンカになり、かかって来いよ!と教えた住所が隣の家の住所で」


リコ「挑発した人の家の隣の関係ない人が犠牲になった事件ですよね?」


ジハン「そう・・」



タクヤ「あほらしい・・150円のゲーム大会でSNSで喧嘩になって、巻き込まれて殺された人は気の毒すぎる。殺された理由がテレビゲームの喧嘩でした。なんて、たまらんぞ」


ジハン「ほんとね・・・」


ジハン「住所情報があれば、だれでも電話一本でスワッティングで殺せる」


タクヤ「でも、それが正確じゃなかったんだろ?リコみたいな住所特定技術があれば・・・」



リコ「えっ?」


タクヤ「リコ!俺がイケメンすぎる!と嫉妬して住所特定してスワッティングとか絶対やるなよ!絶対だぞ!」


リコ「やりませんよ・・・たぶん」



タクヤ「多分って言った!今、多分って言った?ね?多分って?」



ジハン「でも、冗談抜きで住所情報は危険よ。アメリカでは住所特定技術は強盗にも使われている」


ジハン「SNSで金持ちを探して、金持ちが今、旅行中ナウとSNSに投稿すると強盗が特定した住所に強盗しに来るんですって」


リコ「報告癖を利用した強盗か・・・頭いいですね・・」


タクヤ「SNSなんてみんなやらなきゃいいのに・・」


ジハン「あなたはやってないの?」



タクヤ「俺?もちろん!やってるよ!だってモテたいし!みんなに俺の美貌を見てもらいたいから毎日、自撮りしている」



ジハン「あぁん!セルフィー」


リコ「セルフィー・・・」


ジハンとリコはそう言って


席を立った


タクヤ「ねぇ!何それ?セルフィーって!ちょっと!セルフィーって何??教えて!」

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