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「りょう君こそ!」

 二人はクスクス笑いながら言葉を掛け合う。

 瞳は後ろ手に自分の宝物を隠しながら、良に言った。

「りょう君、宝物、持って来た?」

「勿論だよ! ひとみちゃんは?」

 良も瞳と同じく、後ろ手に宝物を隠している。

「ちゃんと持って来たわ! ねぇ、せぇーので見せ合いましょうよ!」

「良いよ! じゃあ……」


「せぇーのっ!」


 声を合わせて言って、隠していた宝物を二人揃って出して見せる。

 良の手には小さなミニカーが、瞳の手には、小びんに色とりどりのビーズが詰まった物が乗っていた。

 良は、瞳の宝物を見てため息を漏らした。

「凄く綺麗だね! 良い宝物だね!」

 良に褒められて、瞳はニッコリした。

「これはね、宝石なの! ビーズだけど宝石だって思ってるのよ。ねぇ、りょう君見て! ビーズに混じってるこの白いの、何だと思う?」

 瞳に言われて、良は小びんをジッと観察した。

「うーん、何だろう? 凄く小さい。何か尖ってるよね。ねぇ、分からないよ! 何なの?」

「星の砂よ。親戚のおばさんがお土産にくれたの! ほら、星の形に見えるでしょ?」

 良は、改めてビーズと混じったそれを見た。

 言われれば、確かに星の形に見える。

 良は、ほっ、とため息を付いた。

 そして、心配そうに瞳に言った。

「凄いね。星の砂なんて初めて見るよ。コレ、本当に穴に埋めちゃって良いの?」

 瞳は大きく頷く。

「良いのよ。だって、どうせ大人になったら掘り出すんだもん。それに、良い物埋めておいた方が掘り出す時楽しいでしょ」

 瞳の台詞に、良は深く頷いた。

「そうだよね。僕も一番好きなミニカーを持って来たんだ。大人になってひとみちゃんとコレを掘り出すのが楽しみだよ」

 良はミニカーを目を細めて眺めた。

 瞳も、自分の宝物をジッと見詰める。

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