第6話 温泉と水


翌朝、温泉に入ってみたのだが、お湯が熱すぎで長湯には向かなかった。


何処かに水源があれば、そこから水を引き込みたいのだが、

近場には水が湧き出してる場所は、見当たらなかった!


探すか、掘るかしか手はない!


最初は水源を探す努力から始めるとしよう!


川の上流の方まで足を運んでみている、だが窪地の下に小川がある為に

温泉に水を引き入れるのは、桶がないと無理であった。


あと....山塩が小川に入り込み、この水を温泉に入れると

体がベタベタするであろう!


温泉に入るのなら、さっぱりした気分になりたいのだ。

決してベタベタになりたい訳ではないのだ。


小川の上流まで来たが、水を引ける場所はなかった!


山塩が噴出している場所しか、水源は見当たらなかったのだ。


少し離れた場所に、水源か川がないかと探すが、これも近くには無かった。

半刻(30分)歩いた場所に、池はあるが濁っており、流石に飲料水にも温泉の

水としても使えない。


小川の下流には、川があるが、流石に合流してる場所までが遠いのだ!


こうなれば、井戸を掘るしかないか......


井戸を縦に掘れば一番良いだけであるが、まずは梯子を作らなければ

掘った後に上がれないのである......


森の中に入り、梯子に使えそうな木を選んでいった。


縄でも良かったが、縄を作る為の稲がないから、梯子で上り下りする

しかなかったのだ。


鋤は作っていたので、後は梯子を作って掘り始めればよい!


梯子には釘を使いたいが、釘もないので、組み合わせて梯子を作ることにした。


木に穴を掘り、差し込む木を同じ太さにまで削る。


そうした木を石で叩いて、組み立てていく。


そうすると、不細工だが梯子が出来たのだ!


見た目は.....この際は後廻しでもよい!


この周辺は、沸き水が出ているので、そこまでは深さは無くても

湧き水が出るはずと読んでいる!


案の定!3尺(約1m)位で、湧き水が湧き出して来ていた。


此れで飲み水の確保も出来き、一石二鳥になったのだった!


桶の変わりになる物が、あれば良いのだが.....何か好い物は無いか?


縄の代わりになる物も欲しかった。


その2つは、井戸から水を汲み取る為に使うのだ!


そこで芳乃と静に秋と相談してみた。


静が小物造りが得意だと解った!


滑車などを、木から掘り出せば、井戸の汲み上げる時に

楽に水を汲み上げる事が出来る。


小物造り用の小刀なども、色々と持っている様なので助かる。


秋は、紡績が出来るみたいだ。


紡績で糸を造り、そこから布を作り出す事も可能なのだ!


衣服の換えも必要なので、早めに糸の材料になりそうな物を

探して来なければならないな。


芳乃は、織物を作る事が得意であるが、織る機械がないのだ!

織り機を製作できるなら、1度は作って見ても良いな。


俺は鍛冶の他には、大工仕事なども少しだけだが出来る!


家や水車なども作れるには作れるのだが、男手が俺だけだと言うのが

問題かもしれない!


この際は、男だ女子だと言っている場合では無いが、

やっはり男の威厳としては、女子の手伝いがあると.....


止めておこう!


男の威厳など、この際はどうでも良い!


協力して遣れる事をすれば良い。


折角、戦で生き延びる事が出来たのだから、今は住む場所などを

作り上げる事が先決である!


温泉と井戸が出来たから、次は家を作らねばならない!


野宿で過ごすにも限界はあるのだ。


木を切り出して来て、柱や板などを作れれば一番好いのだが

工具もなければ、何も無い!


鍛冶場も作れぬ!


焦る気持ちを抑えながら、少しづつ始めれば好いか....


焦らない事が肝心じゃ!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る