009 無職になるという事は人生の墓場である②Ⅱ
圭介は困惑しながら
「おい、我々ムクロ団は大きな大損害をもたらしている。それ何なのか知っているか? 金だよ‼ 金‼」
ムクロ団のギルマスが焼き鳥を食べながら叫んでいた。
「でも……。あの少女がいたところで我々は大型ギルドになれますかい? この町に住んでいる者のほとんどが落ちこぼれとか商人に成り下がった奴らばかりですぜ」
「なんなら、俺達はその上でのオーナーになればいい事だろ……。俺達の目的は何だ‼ 野望は何だ⁉ 俺らは天下を取るためのムクロ団だろうが‼ どういった手を使っても捕まえろ! 手段は問わなねぇーぜ。いいな! 絶対に見つけ出せ‼」
そう言うと、ムクロ団のギルドメンバーは有希を見つけ出すためにそれぞれ街に散らばった。
一方、その頃————
「剣さん、こんな所で油をうっていてもいいんですか? ここ人が密集していて見つかりやすいと思うんですけど……」
「いいんだよ。昔、母ちゃんが言っていたんだ。烏合の衆って……」
「それ、違う意味ですよ。全く、この状況には合っていません」
「あなたたちはどうして同じ人間なのにそんなに楽しそうにしているの? 今まであってきた人間は、血のにじむような思いで、モンスター狩りや強盗、生きていくうえで必死だった。なのに、どうしてこのゲームの世界で楽しく暮らせていけるの?」
「そんなの決まっているだろ? ただニートの生活を送りたいだけだ……」
そう話すと、
「いたぞ‼ こっちだ‼」
後ろの方で叫び声が聞こえた。三人とも変装はばっちりであるのになぜわかってしまったのだろうか。いや、変装はしたものの、服だけはそのままにしてあったのである。
「げっ‼ 見つかった‼ 俺は先に行く‼ 後はお前らに任せたぞ‼」
そう言い残すと、剣次は一歩前に飛び出した。
だが、前方からも後方からましてや左右同時にこちらにムクロ団の連中が向かってきた。
建物の屋上で二人は縄に縛られ、目の前にはムクロ団のギルマスがいた。
「よお、久しぶりだな? 俺はすごーく機嫌が悪いのは分かっているよな?」
「ふん。知るか‼
有希は縛られた体でムクロ団のギルマス・藤岡に向かってはっきりと言った。銀色の髪が、風の吹くたびに宙に浮かぶ。圭介は、その長い髪が何回も目にかかり、そのたびにいたい思いをした。
ソード・ファンタジー・コメディ ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ @kouta0525
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