第3話「バージョンアップのお知らせ!」
脱落した魔法少女は死ぬ、という作品の根幹をなすルールが説明される回です。また、次回の展開を見据えてルーラ組にスポットを当てています。原作短編から「トップスピードと遊ぼう」と「天使をプロデュース」のエピソードを引用しているのですが、原作では本当に紅葉狩りをしていたのが、「緑の紅葉狩り」になっていたのには笑ってしまいました。強引なんですが、スイムスイムの幼さを言い訳に成立させているのがメディアミックスならではのミラクルという感じで嫌いじゃないです。
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今回はルーラ組が主役ですね。前後半の活動内容の対比で、状況の変化が表現されています。部下を脱落させまいと仕事を世話してやるルーラが、一方で、特に葛藤らしい葛藤もなくキャンディー強奪へと舵を切る。その身も蓋もない合理性、指導者ルーラのありようというのがさらっと描かれているのが好印象でした。ピーキーエンジェルズの付和雷同ぶり、チームの良心とも言えるたまの戸惑い、スイムスイムの忠正、スノーホワイトへの嫉妬と、ルーラ組の人柄と人間関係の紹介がそのまま次回への伏線になっているのも見逃せません。死のルールが周知されるまでの流れがもたついてはいるものの、ルーラ組の転身の速さで挽回しているように思います。
原作の展開ってすごくスピーディーなんです。たとえば今回ですが、原作ではねむりん脱落発表からクラムベリーとファヴの会話まではノータイムですし、その直後、章が切り替わったらもう魔法少女全員が知ってるっていう流れなんです。まほいくはデスゲームというよりシンプルなバトルロイヤルものですから、ここで変に間をもたせて情報格差を生じさせる必要はないんです。一人殺してすぐ「君たちには殺し合いをしてもらいます」でいい。
ただ、アニメでもその調子だと6話くらいで終わっちゃいますから、時間を稼ぐ必要がある。それが短編だったり、アニメオリジナルの追加要素だったりするわけですね。結果として、アニメの展開はどちらかというと、バトルロイヤルものというよりは歴史小説的な印象が強まっているように思います。不意を突くというより、あたかも歴史的事実のように厳然として揺るぎようのない、身も蓋もなく逃れがたい運命を突き付けてくる。いや、もうホント「身も蓋もない」ばっかり言ってますけど、それが味なんですよ。そこが楽しめるかどうかで印象が分かれる作品だと思います。
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