I.アクセル(5分)
深夜、自宅へと向かう、田んぼに挟まれた畦道をセダンで走っている。
片足を掴まれる。足元を見れば、奥から伸びてきた手がIさんの足首を握っていた。
尋常ではない力で右足はアクセルへと押し付けられる。
人の気配がない深夜だから誰も撥ねなくて済んでるものを、メーターは70を越えるところだった。
しかしすぐに住宅街へと突き当たる。
真っ青になったIさんは左足でブレーキを思い切り踏んだ。
ギギギリリという回転するエンジンを無理やり止める焦げ臭い音がして、視界は瞬時、暗闇に包まれた。
車は田圃に突っ込んで止まっていた。
警察を呼べば、近くの交番から走ってきた警官が「またか」と小さく呟いた。
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