H.駅(3分)
Hさんは駅のホームで電車を待っている。
急行の過ぎる旨、黄色い線まで下がるようアナウンスされる。
彼女の背後から子どもの走ってくる足音が聞こえ、電車が滑り込む直前に小さな人影が線路へと飛び込む。
わあっと声を出すも、電車は目の前を高速で通り過ぎ、跡には何も残っていなかった。
周囲はおろか後列の人たちさえも、自分を奇異の目で見ていることに気付き、その子どもが人ではなかったのだと理解する。
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