落ち着いた

最近ようやく縛られていたものを自らの意志で遠ざけた。

「梅練り先輩どうしたの?」と何人かに驚かれたけど、「抗うつ剤が効かないからしょうがないだろう」と快楽の為にたらたら言い訳をするのは金と時間の無駄なんだ。価値観は国や人によって変動するし、変遷もする。彼らの価値観の否定する気はない。しかし、未だに悦楽を手放せないでいるのを見ていると、どうだろう。気持ち悪くて観るのをやめたトレインスポッティングという映画を思い出し、思えば生活がそれを中心に回っていたなあ。と昔の自分を俯瞰してしまうのだ。

一時的な安定を貪るのをやめたことの弊害という程でもないが、心が安定しなくなってしまい、自分が自分でなくなる感覚と自己嫌悪が右脳と左脳の真ん中をグツグツと蝕む。

卑下とエゴと希死観念を肴にただ苦しいだけの逃避行動をとったり、回り続ける思考に休憩を入れる為に酒を飲み続けたり、中身のない心から出る薄っぺらな言葉を喚き散らすのは本当に最低な気分だった。

「僕も頑張っている」ことを伝える為に伝えなくてもいいことを伝えて無意識に人に負荷をかけるのは最低な行為だ。

思えば、何故そんなことをしたのだろう。と思うようなことも深く考えることができないから沢山の人を傷つけるような言動もとった。

しかし経験として理解したのは、「本当に最低な気分」というものが一、二週間程度で戻る。とまでは行かないまでも「少し調子が悪いな」位には戻るということだ。

最近は別の友達が日々の調子を聞いてくれるから幾分か楽だ。彼女も心が不安定なのに無条件で肯定してくれるから、とても助かる。

恋とか愛とか利用価値とかではなくて一人の人間として人を尊敬するのは久しぶりのことだから慣れていなくて、今はまだ「調子はどう?」と聞かれて「そちらの調子はどうですか?」とオウム返しすることしかできないが、もう少し頭がスッキリと冴えてきたら彼女のように周りの人間に手を差し伸ばせるような思慮深く有益な人間になれるように努力しよう。と梅練りは考えた。

きっとまた僕じゃない僕に戻る時があるだろうけれど、そんな僕も愛してあげよう。

今の状態で言うのは簡単だから、きっとそんなこと忘れてまた頭の中の言葉をそのまま嘔吐するように羅列してしまうかもしれないのだけれども、そんな僕も愛してあげよう。


「大きい夢も特に 必要ない

生きてる意味 必要ない

ありのままでいる このままを歌うよ

私はこの世に必要だろうか?

私はこの世に必要じゃないな」

「適当に生きて 適当に死ねばいい

必要なものなんて死ぬまでわからないよ

特別な存在 ヴェルタースオリジナル

人の必要が自分の必要なんてことはない

でも 特別な存在 ヴェルタースオリジナル

誰かの必要になれたら」

-必要ない、SUSHIBOYS


「僕らは知っている、奇跡は死んでいる

努力も孤独も、報われないことがある

だけどね、それでもね

今日まで歩いてきた日々を人は呼ぶ

それがね、軌跡だと

ああ、なんて素敵な日だ

幸せに悩める今日も

ボロボロになれている今日も

ああ、息をして足宛いている

全て僕のこと」

-僕のこと、Mrs.GREEN APPLE


何もしたくなくてsnsもあまり使っていなかったけれど、

やっと少し落ち着いた

だから

今日は少し前向きになれた。

梅練りは頑張った。

ご褒美にカラオケの食べ放題ソフトクリームを一杯だけたべた。

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