第13話
誘導されるまま建物へ入っていく。
建物は昔の伯爵などは住んでいただろうと思わせるもので立派な庭があり、部屋からも一望できる。
集められた部屋は洋室のような部屋でいくつかのソファーと立派な暖炉が設置され、後にはいくつものテーブルが配置されてその上に豪華なお菓子が並べられており飾られている。
「で?ここでは何をしてればいいんだ?」
「俺は、今朝このハガキがポストに入っているのを見つけてやってきたもにだけど」
「あ、それ私も入ってた」
次々に小さなハガキを取り出しては見せ合う手に持つそれはまさに男の家のポストに入っていたものと同じだった。
「少し準備が必要なので、こちらでどうぞリラックスられていてください。
もちろん、テーブルに置かれているものも食べてもよろしいですし、このソファーで寝るのもよろしいです」
そう言い終わるとその部屋から出て行く案内人を見送り、皆顔を見合わせ互いに探りを入れはじめている。
男は部屋から見える庭を眺め先ほどの案内人がいた言葉を思い出し、一体ここで何をするのかを疑問を抱いていた。
「よ、兄弟。お前は何をしにここにきたんだ?」
いつの間にか隣に来て、庭をのぞいている人物に目を向ける。
みた様子、40前のおっさんで、無性ヒゲを生やして口にはタバコを加え味わっていた。
「いや、別に…」
そう答えるともう用はないだろうと自身の思案に入ろうとしたが、それを邪魔してくるように頭に入ってくる。
「なんだ、愛想のないやつだな…今は自由時間なんだ。
一緒に話そうぜ」
「…」
邪魔というように睨みを利かせ顔を見るが全く効き目のないかのように話を続けてくる。
「俺はだな、ここきた理由は毎日つまんない日々を過ごしていたんだ。でもな、この手紙が入っていることによって何か新しい世界が開けるんじゃないかと思って参加したんだ」
「新しい世界…?ただのこの小さな紙切れに何希望を抱いてるんだ」
「そうは言うけど、もしかしたら今までに体験できないことはが始まるかもしれないだろ?
いや、もしかしたらもう始まってるかもしれない…」
「なぜそう思う?」
「さっきのリムジンを降りたところでお前は参加しないって拒否ったら死ななければならないって言ってただろう?もうすでに何かは始まっているんだと思うんだ」
「っは…こんなところへ勝手にこさせられていて、死ぬなんてごめんだね」
「おまえ、格好つけているけど、実は…怖いんだろう?」
「そんなわけない。ただ、日常でそう簡単に死ぬ羽目になんてなってたまるかって思っているだけだよ」
「ふーん、まあなんでもいいけどね。」
無視すればそこで終わりであるのに、いつのまにか無性ヒゲをの男と会話をしていることに気づき、バツが悪くタバコを取り出し吸おうと口に咥える。
ライターを取り出す前にはんば無理やりライターの火を近づけられて火をつけられ、無性ヒゲをの男は得意そうな顔をしているのを見るとどこかいらつきが募り始めた。
「っで?なぜ参加を?」
「ここで殺されてたまるかっと思ってね」
「その前に、公園で行くかいかないか決めれることができただろう」
「拒否する前に無理やりアイマスクをされてリムジンに乗せられたんだ」
「ふーーん」
二人で蒸した煙はどちらがより遠く飛ばすか競い合うように上へ上へ登っていき、自然と消えていった。
タバコ、男 @11245
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