第10話

小さくなっていくタバコを無意識に吸っては煙が、どんどんと空へ消えていく。

変な服装をした女性の方を眺め、なぜあのような格好をしているのかが興味があった。

少しずつ近づいてくる女性にあるものを持っているのに気づいた。

あの小さなハガキだ。

なぜ今日はこんなにハガキを見ることがあるのか疑問に思いまたタバコを吸う。

吐いた煙と共に声をかけられた。

「あのー…すみません?」

少し語尾をあげた声にそこを向くといつの間にか先ほどまで眺めていた女性がそこにいた。

「ここの場所を、できれば教えていただきたいんですが」

どれっと手に持っていたハガキをのぞいてみると、何かを開催される集合場所がこの公園になっていた。

「ああ、これならここ…」

場所指定を教えようと言葉を口にすると、後ろから声をかけられる。

「お待ちしておりました、御山(みやま)さま、大恩(だいおん)さま。ささ、あなた方は参加されるということで、早速あの車にお乗りください」

「は…?」

声をかけて来た人物は、いかに想像上に出てくる執事といった格好をしていた。黒いスーツをビシッと着こなし、メガネをかけた人物だ。

「いや、俺は…」

「ささ、皆様はもうお待ちしております。あなた方も早く向かいましょう」

足されるままに背中を押されリムジンという車に乗せられ、前もって乗っていた人物たちはアイマスクをしているという異様な光景がそこにあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る