第9話
男の腕を払うように手で退けると用はないと片手を上げて人並みへ消えていく。
「おい、少し待て…」
話がまだ済んでない男は、引き止めよとするが、その前に人の中へ入ってしまったせいで、もう姿が見えないでいる。
一つため息をついた後、ポケットに手を入れて潰れた箱を見つけると取り出し、上下に振っていると小さく(カラカラ)と言う音が聞こえ、逆さに振り一本のタバコを取り出す。
人の流れが強かったり弱かったりする中で、吸うのもなんだと思い灰皿が置かれた近くの公園へ向かう。
噴水を中心ときた公園は、疎らにベンチが置かれ子供が動物の躾をしたり、親子が仲良く手を繋ぎ散歩をしている様子が見られた。
平日のせいか、人の影は疎らで、先ほどの駅と比べるとどこか安心ができる場所となった。
おまけに好きなタバコを吸うための灰皿が置かれ、早速一つ吸うことにし口に挟んだ後、ライターで火をつける。
煙が風によって方向が決まらず、その様子を眺めていると、一人の女性が今の時期に合わない服装をし、帽子を深くかぶった後、肩をすぼめ、見るからに怪しい行動をしている。
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