第8話
脳裏にぼやける影が裏表して浮かんで来るものがある。
しかも、この小さなハガキの裏によって見えて来るものだ。
「どうした、何か思うことでもあるか?」
「…いや」
ひょっとして、何か関連性があるのかと言う表情で、おちゃらけた雰囲気を壊さずに聞いて来る。
一度言ってもいいのか躊躇いながら否定をして見るが、やっぱりどこか気持ち悪いものがあり続ける。
「…あ、いや、もしかしたら、俺の届いたものと同じかもしれない。」
「何?」
驚いた顔に一瞬なるが、すぐにまたいつものニヤつく顔に戻る。
「このハガキ、お前にも届いたのか?」
「ああ、今朝郵便ポストを開けたら入っていた」
「ふ、うーん」
いきなり興味がなくなったというか雰囲気を出し、大欠伸をかきはじめる。
「おまえ、真面目に聞いているのか!?俺とおまえ、一体関連性は何だと思う?」
「関連性?なんだそれは。そんなものでハガキが届くと思うか?」
「分からないから、可能性を考えて聞いているんだ」
花で軽く笑われ、頭に血がのぼるのを感じる。
「おまえは、この不気味なハガキに関して気持ち悪いと思わないか!?ハガキだけじゃない、今朝変な老人にも話しかけられたんだ!!」
思わず怒鳴り、胸元のシャツをつかみ、できる限りの力を加えてひっぱる。
「そんな変な老人なんか気にする必要なんかない、おまえが考えていけばいい」
いつものへらへらとした顔を解き、そういきなり言われドキッとする。
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