第6話

全てを食べ終えた男は食後の一服とタバコをふかした。

携帯を取り出しあれこれ情報を見るが特に気になるものがあるわけもなくすぐにしまう。

外を眺め先ほどと違う人々が歩く当たり前の光景をただ黙って見つめている。

((もう届いたか。ならばよかった。))

中年男の言葉が不意に思い出される。

何が一体届いたのかいまだにわからない。

今までのイライラが再度復活しそうになり慌ててタバコを口にやった。

なんでもいいと残った長さを吸い終わり灰皿に押しやると会計へ向かい清算をする。

ようやく膨れたお腹を抱えて駅へ向かう。

街を歩くとやはり人は多くどこか歩きにくい。

しかし待ち合わせた人がいるため仕方がなく向かうことにした。

改札口につくと、電車から降りた人々がどどっと出てきて余計に多い人数を避けなければならない。

仕方ないと端に避けて待つことにする。

「よう久しぶり」

軽快な声を出しそう言う。

その声にすらイライラが募り、少し素っ気なく答える

「何が久しぶりだ。最後に会ったのは二週間前じゃないか」

「ははは、そうだっけ?」

どこかとぼけた風な答え方をされて今まで募らせていたイライラを吐き出してしまった。

「そうだっけじゃないだろ!たしかに二週間ぶりだ!!」

強言い方をしてしまい、周りにいる人たちから注目を浴びてしまった。

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