第5話

軽快な音を出し迎え入れてくれた鐘の音を聞き、おし入る。

「いらっしゃいませー」

昼ごはんを食べようとファミリーレストランへやって来た。

「とりあえずドリンクバーとハンバーグセット」

メニューを開き、一番に目に付い物を指定して閉じる。

「はい、少々お待ちください」

ポケットからタバコを取り出し吸い始め、煙を吐き出すと外を眺めた。

相変わらず忙しそうに行き来するその様子を、ただ見つめさっきまで男自身が忙しく見えていたのか少し気がかりになるが、もう一度タバコを吸うとどうでもよくなってしまった。

徐々に短くなっていくがなかなか頼んだものはやってこない。

しびれを切らせイライラとしながらもう一本吸うことにする。ドリンクバーに入れたコーヒーがゆっくりとゆれそれが底なし地獄に見える気がするとさっさと飲んでしまった。

「お待たせしました、ハンバーグセットです。」

運ばれて来たものをひと眺めすると、食器を入れた四角いプラステチック製の箱からホォークトナイフを取り出し一口サイズにハンバーガーを切り口に入れある。

まだ熱い出来立ての肉汁が口いっぱいに広がり今までのイライラがどこかへ飛んでいってしまった。



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