第4話

「どうして俺の名前を?」

疑問に思ったことは、すぐに聞く癖がありそう返す。

「なんだっていいじゃないか。

それより例のあれ、届いたかい?」

「例の…?」

特別な契約をした覚えもないし、なにかを買った覚えもない。

たとえ何か特別なものを買ったとしてそれを忘れるはずがない。

「…もう届いたか。ならばよかった。」

「何を言ってるんですか?」

「そっかそか。あれはわたしの気持ちだ。ぜひ参加してほしい」

それだけ言うと、肩を丸めたらしく、先ほどの身長より少し低くし、どこかへ歩き出した。

中年のおじさんが、なにを言いたかったかさっぱりと分からず、ただその背中を見送った。

「参加…?」

一体なにに参加をすれば良いのか分からず、二文字だけが頭の中を巡っていく。

中年の残した言葉がどこか引っかかるが、また歩き出しことにした。

しかし、どこか喉の奥に骨が刺さったようなむず痒さがし、あれこれと思い当たることを考えてみるが、行き着く場所はどこにもなかった。

いつまでも引っかかり訳にもいかず、とりあえず、頭から消して道を進むことにした。


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