第12話美和子の呼び方と部活の活動曜日

 美和子がそんなことを考えていた矢先に、山崎部長が、

「成瀬さんのことは、僕たちはなんて呼んだら良いのかな? きちんと『成瀬さん』と呼んだ方が良いのかな? それとも軽い感じで『美和子』って呼んじゃっても、良いのかな?」

 それを聞いた美和子は「美和子って呼んで頂いて大丈夫です」と答えた。美和子にはそこの部分に変なこだわりはなかったからだ。すると羽鳥先輩が、

「ぼっ僕は『成瀬さん』って、よっ呼ばせてもらいますけど、そっそれでも良いでしょうか?」

「大丈夫ですよ」と、美和子はそう答えるしかなかった。

 結局部活内での美和子に対する先輩方の呼び方は、山崎部長だけが『美和子』と軽くフランクに呼び捨てで呼んで、他の先輩たちは皆『成瀬さん』と真面目に丁寧に呼ぶことで、結果的に落ち着くことになった。

 美和子は最後に、山崎部長に、次のような質問をした。

「この部活の具体的な活動曜日を、教えて頂きたいのですが……」

 すると山崎部長は、次のように答えた。

「ああ部活の活動曜日? 基本的には毎日誰かしらが来ていますよ。土日や祝日や、あるいは大学の季節休みのときなんかもですね。決まった休みの曜日っていうのは、この部活は基本的にはないのですね。例えば飼っている生き物のお世話だってあるし、また期末試験が近くなればほら、そこの期末試験の過去問のストックを使って、部員たちみんなで試験勉強をしたりもしますしさ……」

 すると今度は根岸先輩も、次のように言ってきた。

「決まった休みの曜日がない部活って、うちらの部活とあと『アニメ・マンガ同好会』ぐらいでしょうかね?」

 それを聞いた山崎部長は、逆に美和子にこんな質問を投げかけてきた。

「美和子は文学部みたいだから、国語の先生になるための教職の授業は、受けるつもりなのかな?」

 美和子は一応は小説家志望であったため、

「教職の授業は、受けるつもりは今のところは、考えてはいないです」

 と、ありのままにに答えた。すると山崎部長は、

「それならば美和子の時間の融通が利く日は、いつでも来ても大丈夫ですよ!」

 山崎部長は、そう美和子におっしゃってくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る