第15話学研の『電子ブロック』その1

 それからしばらく経ったある日、美和子が部室へ向かうと、アマゾンの梱包で、かなり大きめの荷物が、部室に置かれているのを見つけた。

 それを見た山崎部長が、

「学研の『電子ブロック』が届いたから、持ってきましたよ!」

 どうやら山崎部長が部室に持ってきた私物らしい。今度はそれを聞きつけてやってきた根岸先輩が、

「お~回路の解説書が付いていますね。ありがたいですね。やりましたね!」

 続けて羽鳥先輩が、こんなことを言った。

「むっ昔、ぼっ僕らの親の世代の頃に、けっ結構流行ったのですよね。こっこの学研の『電子ブロック』って……」

 続いて西宮先輩がこう言った。

「良い商品は廃れないで欲しいですよね。時代の波がどう動いてもですね……」

 さてモノが届いたのは良いが、解説書が付いているので、一通り素人でも、その解説書通りに回路を組めば、動きそうなものが結構あるが、さてまずは何から最初に回路を組んでみようか? となったときに、山崎部長が、

「試しに『鉱石ラジオ』の回路でも組んでみるか!」

 と言った。もちろん誰も反対などしない。さらに山崎部長は美和子に、

「これ部費で買ったのね。もっとも増田がアマゾンで自分が持っていたポイントを少し充ててくれたおかげで、実際の売値よりかは、多少安く買えたのですけれどね……」

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