第15話 会議

 その夜。


 魔動人のパイロットである僕をはじめとする『銀の剣団』全員が集められた。


「明日より魔獣討伐を開始する。」

 王子は大きいテーブルの上に地図を広げ会議開始の合図にする。

「しかし今回の目的は、新型魔動人の試験運用だ。それに魔獣の目撃情報によれば数は少ない。群れをはぐれた少数と思われる。」

 目撃情報の場所に駒を置いていく作戦参謀(?)、軍師(?)。

「目撃情報と足跡から魔獣は『トーリス』と推測される。」

 僕の目の前に絵が広げられた。カラーで描かれ、解説まで入った美しい仕上がりのものだった。

 僕の知識で語るなら、二足歩行の恐竜に鳥の羽根が全身にあるもの。


 しばらく魅入っていると、気が付いた…。この絵に感心があるのは僕だけみたいだ。この世界の人にとっては、珍しい魔獣ではないのだろう。


「大きさも成年サイズと推測される。目撃情報の多かった場所を中心に探索し、撲滅する。」

 コマの数が目撃情報の数のようだ。

「『トーリス』だからと言って油断するな!」

「はっ!」

と、『銀の剣団』が答える。


「パイロットは早く休め。」

 端にいる者に頭を向け、

「準備のものは、疲れているだろうが頼むぞ。」

と。


 毛布に包まり目を閉じる…。


 寝付けない。こんな感じはいつ以来だろうか?  遠足の前日の様な気持ち。待ち遠しいようで、怖い様な気持ち。


 しかし、旅の疲れはいつしか深い眠りへと僕を誘う。

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