第8話 終末
7月7日、7時2分。ボロボロになった教室に残るのは虚しさだけだった。
ふと携帯が鳴った。トークグループの通知だった。
死んだはずの前田からだ。きっと時間指定の送信だったのだろう、内容はこうだった。
「今日は七夕! 天体観測忘れんなよ!」
そうだった、前に6人で七夕に天体観測をするという約束をしていたのだ。
しかし外は雨、そして残ったのは自分1人。虚しく笑うことしかできなかった。
ごめんみんな、俺は約束を守れそうにないよ。
机に突っ伏し、ひたすら泣いた。涙が水たまりを作るまで泣いた。この学校の日常もなにもかも戻らないのだと。
最後に学校を周り、町を周った思い出の場所たちだ。思い出が走馬灯のように蘇る。気がつくと空が赤くなっていた。
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