第7話 前夜

 7月6日、13時18分。予定では明日地球に到達するようだ。そして俺は1人になった。


 12時24分。鈴木が死に、俺は前田の家に向かった。せめて最後の昼飯くらい残った仲間と食べようと思った。

 人気がないと思い勝手に家に上がり前田の部屋を開けた。そこにはまるでストラップのように吊るされた前田がいた。

 テーブルに置いてあった手紙を読むとこう書かれていた。

 お前1人を残してすまない、でもみんなを失って俺はもう限界だ。

 その一文で終わっていた、きっと彼も疲れていたのだろう。残された俺はどうすればいい。

 頭を抱える。もう食欲もない。ただ1人、明日の死を待つだけだ。

 記憶に残るのは炭化した岡田、瓦礫から手だけが見えた本間、全身を殴られた高橋、顔が青ざめた鈴木、そして目の前にいる前田。


 もう終わりだ。

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