第5話 被害

 7月4日、10時23分。昨日、俺たちは一瞬にして親友を2人失った。学校に残り熱風で燃えた岡田。そして家にいるときに瓦礫に潰された本間さん。

 自暴自棄になり引きこもっている。明々後日には俺も死ぬんだ。そんな時家の扉が叩かれた。


「おい! 早く出て来てくれ!」


 前田の声だ。無意識のうちに部屋から這い出て扉を開けていた。


「なんだ」


「高橋と鈴木が!」


 すぐに2人で走り出した。そして近くのコンビニ着いた。中には血まみれの高橋と鈴木がいた。


「大丈夫か!」


 今までに出したことないような大声を出した。鈴木は高橋のそばにしゃがみ込んで声を掛けていた。見てすぐに理解した、高橋はもう長くないだろう。


「何があった!」


 前田を問い詰めた。

 地球が終わるとなってから強盗や誘拐をする集団がいるらしい、そして高橋が襲われてる所を鈴木が助けたが今の現状になったらしい。


「すまん! 俺がもっと早く見つけてれば!」


 今は電話も通じず公共機関も機能してない。あとは死を待つだけだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る