第1話 観測
病院内は混乱を極めていた。かなり重傷者が出たようで都心部からはドクターヘリも飛んだようだ。
自分はと言うと、軽傷だったため応急処置で済んだ。
ニュースではさっきから同じ内容を繰り返している。どうやらさっきのそれは隕石だったようだ。
この混み合う病院にいては邪魔になると思い、裏の扉から抜け出した。山を見るとまだ燃えていた。
それを眺めながら家に向かい歩いていると携帯が鳴った。画面をタップして電話にでる。
「もしもし」
「お前大丈夫か?」
声の主は1時間ほど前に別れたばかりの友人、前田だった。
「あぁ、軽度の火傷とか擦り傷で済んだよ」
「それは良かった」
スピーカーの向こうからは緊張した声とは打って変わりいつもの口調に戻っていた。互いに知り合いの声を聞いて安心したに違いない。
「なあ、ニュース見たか?」
「隕石か?」
「いや、今さらに大規模な隕石群が観測されたらしい、この後も落ちて来る可能性があるらしいぜ」
その時はまだ、あまり深くは考えていなかった。その「隕石群」がどれほど危険なのか。
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