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 電話がきた。

「はい、もしもし、牛牛亭でしゅ」

馬三が出た。

「馬三か。お前じゃ、あれだから、めぐちゃんか杉に代われ」

マスターからの電話だった。めぐみに電話を代わる。

「もしもし、お疲れ様です」

「おー、めぐちゃん、実は仕方なく、富山に帰らなくなったよー」

「えっ?、マスター、富山県出身でした?」

「おー、電話じゃ難だから、そっちに行くぜ、じゃあ!」

マスターは電話を切った。

「あの人が富山に帰るのは初めてだろうな。何せ、高校中退してすぐ、落語家、目指して上京して来たからな」

勝彦は電話の内容を聞いていた。

「えー。謎だらけの人なんや」

裏返った声のめぐみ。

「それから、弟子入りして前座時代の芸名が南瓜亭西瓜だからな。更に先輩を客の前で殴ってクビになったらしい」

勝彦の話しに釘付けとなるめぐみ。

「おー。来たぜ。おいらの身内なくたばったようだ。取り合えず、明日、羽田空港であるから。お前らも出ろよ!」

マスターが麦わら帽子、アロハシャツ、下駄姿で登場。 

「飛行機で行くの?」

「おー。マイルも貯まるし、バケモンジェットだからよー」

「あんた、可愛いな」

「まあ、すぐ帰って来るからよー」

「そうなの。まあ、明日、行けばいいわけね」

呆れぎみの勝彦。

「頼むぜ。今日は店終いでいいからよ」

「取り合えず、マスター主催のイベントでしょうから、適当にやりましょう」

杉は音頭をとる。

「打ち上げ花火でも、上げればいいでしょう」

めぐみは的を得る。

「後はウチらが唄うなり、コントするなりでしょう」

何やかんやでやる気アップの牛牛亭一堂。

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