第6話 あく手
ある夜、一人の小学生が、自分の部屋で、明るい楽しいイラストがかかれた本を読んでいました。それは洋平の日記でした。
読んでいたのは、六年生になったばかりの智さんです。智さんは、友達のわの中に入れないことで、悩んでいました。心の中で思っていることを、うまく言葉に出せなかったり、悪気はないのに場にそぐわない言動をして、友達がはなれていってしまったりしていたのです。
(洋平という子の気持ちはとてもよく分かる。でも、いくらなんでも、死なないでほしかった。)
智さんは、洋平に会いたくてたまらなくなりました。洋平と友達になれたら、本当の気持ちをいろいろと、話し合うことが出来たかもしれないと思ったのです。でも、たずねていっても、手紙を出しても、洋平には届かないのです。
どうすればいのでしょう。
じっと考えた後、智さんは洋平と友情のあく手をしたいと思いました。そして、窓をあけると、洋平にさしのべるつもりで、夜空に向けて右手をあげました。
星が、またたいていました。
(了)
空に右手をさし出して @m_e_yszw
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます