03

その輝かしいつまんなさは、磨けないけどある程度外観だけ偉大すぎていた。私にとっては。っていうのも違うけれど。


「新山って居たよね」


居酒屋さんで、智ちゃんが言ったから

「誰だっけ」って、わざと言ったら「お前ぶん殴るぞ」だって。


「こわ」

「私あん時きいと喧嘩してたのかよくわかんないや」

「喧嘩ってゆうかねえ」

「なに」

「智ちゃんが泣くから」

「おぉい」

箸をこちらにむけてくる智ちゃん。

「私あれね、あそこが喧嘩じゃないと思う」

って智ちゃんは言った。

「わたしもなかなかそう思うや」

って返したら

「しょーもないな」

「ほんとだね」

「きいは性格悪いね」

「智ちゃんは性格良さそうだね」

「良さそうって」

「私はきらいだもん。智ちゃんの性格」

「わたしだってきらいだわ」

智ちゃんが笑って私を叩く。

「なんでたたくの」

「あんたそーゆーとこだわ」

智ちゃんは煙草に火をつける。


テーブルの上でこれから私たちに食べられる人々が、私達見て光ってる。おまえら、変なやつみたら光るの?


「智ちゃんの彼氏紹介してね」

「うん絶対する」


枝豆すっ飛ばしながら言う智ちゃんは私の目を見てなかった。






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