第39話 嫁の別の星での記憶


テレビで地球外生命体についてやっていた。

様々な環境を仮定し、NASAの研究機関が想定した生命体が映像に流れた。

植物に足がある等、ちょっと気持ち悪い生命体だった。


それを見ていた嫁が

「わたしが知っているのはね、こんなの」


そう言って、さっさっさっーとたった5秒で絵を描いた。


可愛らしい顔をした芋虫のような生き物の周り全体に、イカが泳いでいる時にひらひらしているやつに似たもの、がついている。

大きさは手のひらサイズ、空中を飛んでいるとのこと。

どこにでも沢山いるそうだ。


嫁が言った。

「本当だよ、わたし覚えてるもん、別の星に住んでた記憶あるんだから!」

嫁は続けた。

「これね、ひらひらのところでね、光合成するの、それでね、真ん中の芋虫みたいなのは薄い紫色なの。」

話は続く

「死んだらね、粉々になって落ちてくるんだけど、何にも残らないの。」


リアルすぎる……本当に覚えているような口調だ。


わたしが絵をじっとみていると嫁が言った。

「そんな落書きのどこがおもしろいの?」


いやいや十分におもしろいでしょう。


それにしても、なんて環境にいい生き物なんだ。

ただただ、宇宙の優れた生き物に感心するわたしだった。


嫁は、NASAの上をいっている。

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