第46話 『噴火』
桜島は、日本を代表する活発な火山である。
鹿児島湾には、面積約430㎢という、姶良カルデラがある。
約2万9000年前に巨大噴火が起こり誕生したとされる。
このカルデラの南縁に、2万6千年ほど前より始まった海底噴火から、次第に隆起して生まれたのが、桜島であると言う。(参考 カラー図鑑 日本の火山 ナツメ社)
1914年に大正大噴火。
1946年に昭和大噴火を起こし、とくに大正大噴火では、多くの被害を出した。
南岳での噴火が長く続いていたが、現在は昭和火口からの噴火が主体となり、現在も活発な活動を続けているのである。
というような、基本的なことを学習していたかどうかは、かなり怪しいのでありますが、やましんは、1984年のゴールデンウイークに、おんぼろ自家用車で、九州南部の旅をして回りました。
やまなみハイウエイで、立ち寄った出店のおばさまから、『え~~~~! こんな自動車で~~~~!!ひとりでぇ?』
と、あきれられ、五家荘の工事現場(たぶん、ダムだったのでしょう。)でも、工事の方から同様にあきれられ、それでも負けることなく、エンジンが止まることもなく、5月4日朝には、鹿児島市街から、フェリーで桜島に向かいました。
おりしも、『おしん』を放送している時間。
お客は、けっこう多い。
『どぅおっか~~~~~~~~~ん!!』
という、大音響が聞こえ、お船がぐらぐらと揺れる。
『ななななな、なにごと~~~!』
と、あたりを見まわせば、だ~れも、まったく、気にもしていない様子。
『おしん』を見ているからか?
やましんにだけ、聞こえたのか?
あまりに、周囲が動かないので、やましんは、精一杯、平気な顔して、デッキに出たのです。
『あらららあああああ~~~~~!❓』
なんか、お山の上から、きのこ雲が立ちあがっているではありませんか。
『もしかして・・・・これが、桜島の噴火というものかしらあ????』
とはいうものの、噴煙を上げているのは普通と聞いていたし、まったく誰も、感動も、おったまげたりも、びっくりも、心配もしている様子がない!
『なんだ、この、異様な普通さは?』
で、こともなく、お船は港につき、とくに、何かの放送もなく、みな、たんたんと車に乗るなりして、消えてゆくのです。
で、まあ、他に、しょうがないじゃあないですかあ。
ぼろ自動車を走らせたのです。
展望所までは、特に変わったこともなく、お山をありがたく観望し、さて、佐多岬方面に向かおうと、南側の古里温泉を過ぎたあたりから、火山灰や、石みたいなものが、ざんざんと降って来るではありませんかあ!!
地元の人とは、あまり、出会わない!
用心して、避難していたのかも。
『ぎわら~~~~~!! これは、大変ですよお! 当たったら、フロントガラスが吹っ飛ぶかも? 自動車へこむかも。やましんのあたまも、吹っ飛ぶかもお!』
前はよく見えないわ、自動車は灰だらけになるわ。
わいぱー、っても、どろだらけになって、役に立たないわ。
知らぬことというものは、まことに、恐ろしいものです。
とにかく、なんとかかんとか、噴火の現場からは離れて行き、とくに何事もなく、佐田岬まで到達したのであります。
自動車さん、良く、頑張った!
実は、このとき、やましんはあることにより、どんぞこ落ち込み状態だったのですが、噴火のおかげで、海にとびこむとか、なんかもう、飛んでしまっておりました。(その前に阿蘇山にも上がっていたが、ここでも、圧倒され、足が動かず。『それでも、毎年、何人か、飛び込む方がいるんですなあ、途中で宙づりになる人もいるが、運悪く、火の中に落ちる人もいますな。』・・・とのお話しが、直ぐ横から聞こえて来ておりました。う~~~~ん。なんか、見破られていたかな・・・まあ、ひとりで、ぼんやりしてたら、疑われても仕方がないですね。)
いやあ、火山というものは、おっそろしい、すごいものです。
当時の写真を、いまになって見れば、なかなか、ものすごい、きのこ雲ですなああ。
なお、このときも、南岳からの噴火であったようです。
もっとも、これは、大噴火とか言うのではないのですが、気象庁の記録を見れば、この日の噴火で、窓ガラス1枚破損という記録が、ありました。
やましんが、記録の一部にならなかったのは、ほんの、偶然だったともいえます。
****************** 🌋 くたばれ、やましん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます