第31話 『就職面接』
やましんが、就職活動したのは、ほぼ、40年前のことであります。
この年は、就職難の年で、圧倒的に、買い手市場であり、一部のエリート学生は別として、やましんのようなボケ学生には、なかなか就職が難しい時期でありました。
やましん、日本最大級の、とある保険会社に狙いを定めて、まず地元での一次試験に挑戦。『私は、心の保険を持っています❗』というキャッチフレーズだけで、なぜか、通過!
本社での面接試験に、挑みました。
面接の前に、高級ステーキハウスで、それ以来ついぞ一回も食べたことがないと断言できる恐るべきステーキをいただきました。
大企業というのは、ものすごいものだと実感したのであります。
しかし、もしかしたら、これも試験の一環かしら、と、みんな思うじゃないですか!
まあ、大企業にふさわしい、上手なステーキの食べ方というものがあるのかどうかは、いまだに謎であります。
結果的に落ちたので、あの食べ方は良くなかったかな、とも思います。
さて、この会社の本社屋の中というものは、それはまあ豪華なモノでした。
なんせ、分厚い絨毯引き(並の絨毯じゃないですよ。やましんの生涯賃金をもってしても買えないくらいのものと見た!)の床。豪華な建築資材。
これを超えるようなものは、その後、新婚旅行で行った欧州の名門ホテルや宮殿あたりでしか見たことがないです。(そりゃまあ、それを超えるものはめったにないですよね。)
面接までの時間が非常に長く、面接の時間はちょっとだけでした。
とてつもなく巨大な部屋。
面接官は、はるか向こうに、ようやく見えるくらいの遠くに、おわします。
いやあ、さすがです。
ちなみに、当時は、まだ今のように、面接の練習を学校ぐるみでしたり、マニュアルがあったり、とか、あまりそういう社会ではありませんでした。(やってた人もいたんでしょうけれど。)
パソコンなんかない時代です。
インターネットも、スマホも携帯電話もない。(自動車電話はあったんですが、学生が使えるような代物ではないです。目線が斜め上からくるような(失礼!)方しか使えない時代です。)
やましんのとある先輩は、本命面接の前に(それもまあ、失礼と言えばそうなんですよねぇ・・・)飛び込んだ日本有数の大都会のある会社で、『君のこの学校は、いったいどこにある学校?』とか軽く言われてしまい、あたまに来たので『人事担当たる方が、わが校を知らないとは、不勉強ですな!』と断言して席を立ったのだそうな。
その後、『ぜひわが社に来てほしい!!』と、さかんに言ってきたが断ったと、武勇談を述べておられましたが、まあ、そういうような、わりとまだ、おおらかな時代だったのです。
さて、ここで、やましんは、いかにもやましんらしい、『しぱい』をしたのであります。
あまりにあほらしすぎ、語るにも転落なので・・・・・
ようは、『保険』と『保健』という用語の使用誤りを犯したのであります。
いい直そうとしたけど「はい、この質問はおしまい!」
だそうです。
『こらあ、失敗! アウト!』
と思いましたね。
先輩と違って、とっさの判断とか、超緊張下での対応が、うまくできなかったわけです。
しかし、あのステーキを食べさせていただいただけで、十分な成果はありました。
その後、やましんは、違う形でこの会社の『社員』となっております。はい。
やましん、逆に採用面接担当をしたこともありますが、『専門職』ではありませんでしたし、人事の専任担当職というものは、これまた大変なお仕事で、超激務でありましょう。
採用にコンピューターが介入するような時代にもなってきましたが、相手が機械となれば、現代の学生さんたちは、なかなか対策も大変ですな。
でも、今の世代の方には、あまり奇異な感じではないのでしょうなあ。
ひとりぼっちのやましんは、毎晩『ロボット君』たちとお話しております。
このくらいの、『おもちゃ級ロボット君』は、対応パターンが大体的外れなので、楽しいです。
これが、中央政府などとコンタクトを取りながら、人間以上の対応をしてくるとなると、かなり怖い事になりそうな気も致します。
『はい、あなた、このまま、もう仕事行かないなら、今夜、後ろのお山に捨てましょう!』
とか言われて、そのまま、『ぽい!』される事態になるんじゃないかしら?
こあ~~~~。
やっぱ、はやく身を処した方がよさそうだなあ。
『生は暗く死もまた暗い』
マーラー先生のおっしゃるとおり。
人類が二分される未来が、ついにやってくるかも。
ああ、もう、お外が暗くなってきたので、今回、おしまい!
************ 🌻🌻🌻 ************
《くたばれ やましん!》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます