第30話 『忘れた当番』

 人間は、勘違いするものです。


 人間は、ミスするものです。


 人間は、過ちを犯すものです。


 とはいえ、その一方で、どこの職場でも、社会でも、そうに違いないですが、『ミスは絶対に許されないのだ!』


 と、言われているに違いありません。


 もちろん、そのミスによって、個人や、大勢の命に危険が及ぶ場合もあり、もしかしたら、人類や地球の生命全体に関わる場合もあるでしょう。(政治とか、行政とか、公共交通機関とか、お料理とか、そうでしょうし、戦争や核実験なども、そうした部類でしょう。なんで、かつて大国さんが核実験禁止に踏み切ったのか考えたら、そりゃもう、本当に自分たちの命に係わる、相当危険な状態だったに違いない気がしますです。地球温暖化もそうなのかも、しれません。まあ、このあたりは様々なお立場があるでしょう。やましんが自動車の運転をすることも、そうなわけです。だから、事故したら罪に問われるわけですよね。あ、免許はちゃんとありますから。)


 しかし、(命にはまずかかわらないだろうけど)、それなりに困ったミスは、やはり、やましん、またまた、起こしてしまいました。


 町内のゴミ当番です。


 実は、先日、すっかり忘れてしまいました。


 非常に、申し訳ない事です。


 深く、お詫びいたします。


 カレンダーに、今回は、なぜかきとんと書いていなかったのが、大きな要因でした。


 まったく、情けない事です。


 もう一人のかたに、大きなご迷惑を、おかけしてしまいました。


 申し訳ありませんでした。


 深く謝罪いたします。

 


 ときに、かつて、職場のボスの方などのミスを、多少なりとも助けてさしあげたことは、何度かありますが、そういうのは、どうやら、あまり感謝はされないようです。


 そこを、逆の立場から考えたら、なるほど、助けていただいたことは、さらに多々あろうかと思いますが、あまり感謝していなかったよなあ。


 と、いまさら、思います。


 これもまた、申し訳ないことです。


 『竜宮城』の亀さんや、『鶴の恩返し』のおつうさんのように、具体的に恩返しするというのは、なかなか、そう簡単な事ではありません。


 また、恩返しや昇進を期待するのは、非常に醜いことなのか、そういう訳でもないのか、というあたりは、やましん、最終的には、あまりよくわかりません。


 一方で、恨みというものは、なかなか消えないものです。


 だいたい、これらは、貸借対照表や、損益計算書のように、帳簿記入するものではありませんが、人の恨みというものは、絶対に消えないものです。


 まして、命にかかわったような場合は、なおさらです。


 かつて、職場の人事評価の申告書には、どんな業績を上げたのか、具体的に書くようになっていましたが、自分がこんな良い事をした、とアピールするのは、やましんはそもそも苦手ですし、まあ、実際に書けと、そう言われると、なかなか無いものでしたのです。


 逆に、ミスした事例を挙げるほうが、それよりも、書けるものなのです。


 つまり、本来、やましんは、役立たずさんなのですね。


 社会の、くずです。


 むかし、レオナルド・ダ・ヴィンチさんも、自分はこんなすごい事ができる、とさかんにアピールしていたようですし、大バッハ先生も、そうした行動をとっていたらしきも聞きます。


 ピアノやオルガンの、『演奏対決』なんていう企画ものも、かつてはよくあったようで、モーツアルトさんなどもやっています。


 みなさん、自信と、実力があった訳です。


 今は、『コンクール』、という仕組みがあります。


 就職面接なども、そうした競争の場でもあります。


 自分の実力を、正しくアピールできるということは、それ自体が、ものすごい能力なのです。


 うらやましいです。


 やましんは、自己否定と懺悔の毎日です。


 また、やましんは、そうとう、たくさんの恨みを、背負っているようです。


 これまで、いったい、どれだけの、蚊さんや、アリさんや、やすでさんや、ごきぶりさんや、はえさんや、ネズミさんなどの命を、確信犯的に奪ったことでしょうか。


 へびさんを、うっかり自動車で踏んでしまったこともありました。 

 本当に、申し訳ありませんでした。


 分かっていて、上司さまや、職場さまに盾ついたことも、まあ、あります。


 言い訳すれば、あまりにやることが多すぎて、親ふたりの介護も重なって、頭が『爆発』したのですが。


 『爆発』すると、なかなか修復は難しいようです。


 お魚さんも、毎日のように頂いております。



 あ、あ。今回は、『ゴミ当番』をすっかり忘れたことについての謝罪でありました。


 本当に、申し訳ありませんでした。


 世間様にお見せする顔がございませんので、90%は、おうちに引きこもっております。


 お買いものには、出てゆきます。


 著名な学者様の言をまたずとも、『良い人』というのは、本当に良い人と、ただ批判されたくなくて、良い人ぶりっこしてるだけの人とがある、と、そうしたお話も聞きました。


 やましんは、あきらかに、ぶりっ子です。


 ぶりっ子も、悩むのです。



   ********************


                       くたばれ やましん!







 


 


 

 

 






 





 

 



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