第24話 『割り込みはダメよ』
ちょと、また、ひねくれ路線のお話し。
20年くらい前でしょうか、新大阪駅で新幹線に乗ろうとしていました。
自由席で座ろうと、出発の大分前から並んでおりました。
そこに、どこかのおじさまがぷいっと一番前に入ってきたのです。
おとなしいやましんは、文句言えませんでしたが、後ろの女性の方が随分文句付けましたが、おじさまは、知らん顔。
「まあまあ、そこまで言ったんだから、きっと最後まで待ってるんでしょうねえ。」
と、やましん。
これはつまり、やましん流の皮肉な訳です。
その方、分かったんだか分からなかったんだか、しばらくは消えていましたが、電車が来て、ドアが開いたとたんに、弾丸のように再び後方から現れ、乗ろうとしていたやましんを押しのけて、最初に乗ってしまいましたが、びっくりしたのは、別の人も引き連れていたこと。
「まあ、やっぱり~~~!!」
と、うしろの女性は怒り心頭でしたが・・・・・・
でも、やましんは、気が小さい事もありますが(それが主要な理由ですが)、実はあんまり怒る気にはならなかったのです。
まあ、呆れたと言う感じです。
だって、電車は結局がらがらで、乗客はちょっとしかいなかったのですから。
まったく、なんのことやらです。
なんでそこまで努力する必要があったのかなあ。(ま、お互いにですが・・)
なんらかの、主義主張だたのかも。
昔、父が勤めていた会社の社長様は、『止まる』というのはお嫌いで、(『わが社に『止まる』と言うことばはない!』・・・と。)遠回りしてでも、信号や踏切で止まらない道を選んでいたとか・・・・・(ま、父の話ですから、どこまでがほんとか、相当あやしいですが。)
** ** **
しかし、こういうことは、まだまだ、ありました。
これは、もう、そうとう、大昔のこと、(携帯電話なんて、あまりに巨大で通話料も高くて、財力もある神様のような方だけの所有物だった時代ですな・・・)日本のある有名大都市の、とある超有名ホテルにお泊りしていたときです。(お仕事じゃなくて、休暇取って、音楽祭に行ってました。)
大分時間が遅くなっていて、あまりもう、これから夕食を取りに外に出かけられる雰囲気でもなく、かなり多くの方が、ホテル内のレストランにきていました。
超満員ですな。
バイキング形式で、ずらっとお客さんが並んでおりました。
で、ぼくのまえに、すっと割り込んできた、体の大きな方がいたのですが、「おぎゃ、こやつ~~!』と思ってふと見上げると、これがまた、とある、いわゆる、神様のような、世界的超有名音楽家の方ではないですかあ! まちがいないです。(お名前は、お口が裂けても言いません!)
「うわあ!!」
と思たやましんは、3つの選択肢を、迫られました。
A 『サインをもらう。またとないチャンスですよ。もう、二度と会えないかも。天が下さった人生一度のチャンスではないか!』
B 『こらあ~! ちゃんと並びませ!』と言う。
C 『敬意を払って、無言を貫く。』
結局気の小さい、『コミュニケーション力』が低いやましんは、C以外には、対策が、なかた訳です。
これが、この世におけるやましんの在り方であり、確率的な宿命なのだ。
やましんは、ドンナに頑張っても、浮かばれることはないのだ・・・。
いやまあ、もしかしたら、誰かおつきの人に、代わりに並んでもらってたのかも、しれませんから、もしも、誤解だったのならば、まことに申し訳ありません。深くお詫びいたします。
いえ、きっと、そうだったのでしょう。
そんな気が、すっごく、してきました。
あんな世界的に偉大な方が、ひとりな訳ないよなあ。
だいたい、やましんが正しかったと言うような事は、過去、この世には、ほとんどありませんからね。
職場内でも、すべて、なにもかも、やましんが悪いのでしたから。
昼食時、休憩室でごはんやおかずを、畳にこぼす、と、批判されました。非常に悪かったと深く反省しましたので、その後しばらくは近所の公園で寂しく食べてましたが、あまりに寒くなったので、結局、舞い戻りました。極力こぼさないように、気は付けたんですが、上手く
ゆかないんですなあ、これが・・・職場にいるのは、あまりに申し訳なさそうでした。
今さらですが、謝罪いたします。
『トイレの手洗いで、水をこぼす非常識な人』、と張り紙されちゃったりもいたしました。・・・そりゃあ、まあ、確かに悪いですよねー! 動作が緩慢で、ずいぶん気は付けてはいたんですがぁ・・・すみませんでした。深く謝罪いたします。
これも、もう存在しちゃまずいなあ、と思う理由なのでありました。
さらに、ある日、『体調が悪くて、残業や、夜間業務ができない人(やましんのことですが・・・)がいて、他の職員の大きな負担になっており・・・』・・・という回覧が回ってきたのであります。・・・これは意図的に、ではないんでありましょうが・・・、いや、意図的にか・・・とにかく、読んでいてすっごく申し訳なかったのです。
やましんは、職場の大きな負担になってるのです。
こりゃあ、このまま職場に居ちゃいけないな、と本当に思ったです。それは、割り込み以上に、明らかなこの世や、社会に対する罪悪である、と確信したのです。
こんなの養うのは、社会的ムダです。
冗談には、ならないものです。
さらに決定的事項がありまして、ついに身を引くとの結論になりました。
遅きに失したと、言われているのは、確かです。
改めて、深く深く謝罪いたします。
それ以来、どこのお手洗いでも、叱られることが思い浮かぶので、非常に慎重にやるんですがねぇ、手を洗うと、どうしても多少はお水が飛ぶのですねぇ。
いろんな体制やら、手の動きかたとか、試行錯誤しております。お水を散らさないのは、なかなか高度な技法です。
これは、温泉や、銭湯における、からだの洗いかたもそうです。
となりの方に、掛からないようにするのが、礼儀ですけど、なかなか思うようにお湯を操るのは、年季の必要な、高度技法なのであります。
ご飯は、いまだにこぼします。
どうも、不器用で、上手くお口まで運べなくて困ります。
視力の問題かもしれません。
むかしは、ご飯こぼしたりのこしたりしたら、叱られたものです。
やましんは、むかしの脱脂粉乳が割りと好きだったのですが、給食で飲めない子が残してしまうと、先生が言ったものです。
『やましんにぜんぶ飲ませろ❗好きだから。』
これって、好意? いやがらせ?
今となっては、分かりません。
被害妄想気味でもありますし・・・
それはともかく、世の中、謝罪することが、あまりにも、多いものなのですなあ。
今後も、さらに深く、謝罪してまいります。
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👿 くたばれ、やましん!
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