第13話 『楽器さん』

 やましんは、お粗末ながら、フルートを吹きます。


 この楽器さん、というものは、ほぼ精密機械でして、適度なメンテナンスが不可欠です。


 そこで、最低、年に1~2回は、専門家に定期検診をしていただきます。


 まあ、人間ドックみたいなものです。


 楽器屋さんに持って行きまして、看ていただくわけです。


 しかし、ここでもやましんは、しょっちゅう、どじを踏んでおりますのです。


 3年ほど前、夕方電話がありました。


「おおい、やましんさん、何してるの~~???」


 聞きなれた楽器屋さんのお声ですが・・・


「ああ~! 忘れてた、今日予約してましたよね~~~。ごめんなさい。」


「はいはい。」


 という訳で、この時は、パス。


 そこで、その次回、『今日は、忘れずに行くぞ~!!』


 と、勇んでお出かけしました。


『今日は、ちゃんと来ましたあ~!』


『はいはい。ご苦労様です。じゃあ楽器を見せてください。』


『はい、もちろん! ・・・・・・・・あ・・????』


『はい?』


『楽器・・・・忘れました・・・・・・。』


『?? Ω 〇 § ¶  Δ ☺ !!! 』 



  訳 『?? くたばれ、やましん !!!』



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