第9話 『携帯電話』その1

 これも、多少きわどいお話で、恐縮であります。


 もう、『やましん進退窮まれり』と、判断し、退職することを決心して、一部の幹部の人にだけには、伝えた直後くらいのこと。


 つまり3年ほど前です。


 就業時間後、帰ろうかなと、トイレに入りまして、かがんだところ、ポケットに入れた携帯電話が、便器の中に、ぼちゃ!


「うあ~~~~~~。なんで! ここで~!」


 と思ったけど、もう時、すでに遅し・・・


 防水じゃなかったし、いくらなんでも、アウトです。


 庶務課の方に、事情をお話しし、ビニール袋をいただきまして、回収作業と、あいなりました。(言わない方が良かったに、きまってますよね~~。台所で落としたことにしたほうが、よかったかな。)


 まあ、当時、精神的にあまり良くなかった、ということもありましたが、それと関係があるとは、思えないですよね。単に、不注意ですな。


 まあ、庶務課を出ると、即、背中から爆笑が起こっていたことだけは、確かですが、それが、関連事項だったのかどうかは、確認しておりません。


 こうしたものは、しばしば関連性がなく、しかし、実際に、お客様とのトラブルに発展し易い事項ですので、注意が必要なのです。 

 

 結局その晩、携帯ショップに赴きまして、買い替えとなったのですが、普段なら、「この機械どうしますか?」とか、聞かれそうなのものですが、そのさいは、さすがに担当の方は、手を触れようとなさいませんでした。


 まあ、当然そうですよねえ。(全部、言わなきゃよかったなあ。でも、なにか責任というものを感じまして・・・・・)


 あまりに呆れたのか、奥様からの論評は、ありませんでした。


 その携帯は、洗浄のうえ、思い出として、今も保管しております。


 ちょっと、見るのが、かわいそう。



            ***《 くたばれ、やましん!! 》 

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