第3話 『演奏会』その1
やましんは、かつて、合唱団で歌っておりました。
で、これは大体、30年ほど前、西暦1990年ころのお話であります。
「なんとか合唱フェスティバル」とかで、めいっぱい歌いまして、良い気分でお家に帰ったところ、奥様が言いますのに・・・
「なんか、この服、あなたのじゃないよ。」
「は?」
いやあ、そっくりだと思ったんですが、・・・どやら、他人様のスーツとかも、まとめて持って帰って来たみたいなのです。
「おあ~! それは大事だ~!」
と思いまして、翌朝ホールに電話したところ・・・
「ああ、確かに。服がなくて裸で帰った大学生さんがいらっしゃいましたよお~。」
「ひえ~! それは大変!」
あわてて、対象者の方の住所などをお伺いし、さらに、ねんごろにお店で手入れもしてもらいまして、あまり高くないけど、大学生にとってはいささか高級であろうと思われる、洋酒を一本買いこみ、車で1時間くらいとばして、うすぐら~い、いかにも『寮』という感じのお部屋にまで出向いたのでありました。
「あの、昨日は、裸でお帰りになったとか・・・」
「はい。ほぼ、裸でした。」
「あの、まことに恐れ入ります。お返しいたします。ごめんなさい。これ、お酒です・・・」
相手の学生さんも、あきれてしまって、それ以上はもう言えない、と言う感じでありました。
なんでそういうことになったのかは、いまだに謎ですが。
その夜、ホールで一体、どのような事態が巻き起こっていたのかは、考えただけでも、恐ろしいほどのことであります。
申し訳ありませんでした!
あらためてここに、お詫び申し上げます。
《くたばれ、やましん!!》
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