第2話 『新聞』

 10歳台も後半となったころ、とある大きな駅・・・


 まあ、大まかに言いますと、1976年ころのことであります。


 『新聞くらい読まねばならぬ!』


 と、大まじめに考えたやましんは、駅のキオスクで、新聞を買おうとしたのですな。


 夕方のことで、例のように、たくさんの新聞が、かごごとに、ぎっしりと詰め込まれておりました。


 この新聞というものは、抜き出し方に、一定の法則があるのです。


 ところが、何も知らないやましんは、端っこから一部ぬきだそうとしたのです。


 すると、なんと、多量の新聞が、ごそっと持ち上がったではないですか。


 あわてず処理すればよいものを、もう、焦ってしまったやましんのこと・・・。


 次から次へと、かごの中の新聞が、どんどんと、湧き上がって来るではないですか。


 「まあ、・・・・この人は!! 何してるの!!」


 と、こう、キオスクの若い販売員の方からは怒鳴られ、すると、さらにあせってしまうので。。。。


 ついにかごの中が空になり・・・・新聞一部分のお金だけ払って、雑誌の上に新聞の束を投げ出したやましんは、さっさと消えたのでありました。


 それ以来、そこでのお買い物は、やめました。



                   《 くたばれ、やましん!! 》











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