第4話 『自動販売機』

 これは、積極的な失敗談ということではないのですが、結果的にはお恥ずかしいことに、たぶん、なったのでありました。


 余りにくだらない事なので、記憶が、かなりいい加減にはなっておりますが、大体10年ちょっとくらい前のこと、つまり、西暦2010年よりもいくらか前かと思いますが、とある私鉄の小さな駅の自動販売機でのお話しです。



 これもまた暑い夏の日で、列車が来る前に、冷たいコーヒーでも飲みますか、と思ったのが間違い。


 あいにく、100円玉とかがなかったので、まあ、千円札を入れますよね。


 で、一本買ったので、当然お釣りがくるわけです。


 じゃらじゃら・・・と、出口から出はじめたまでは良かったのですが。


 これが、まあ、出るわ出るわ!


 次ぎ次ぎに、まさに溢れるようにお釣りが出るではないですか!


 それも、すっごい勢いで出てくるのです。


 アッと言うまに、出口は満杯となり、それでも、大当たりのパチンコの玉のように(あ。パチンコ店というものは、人生で、3回しか入ったことが、ないのですが・・)どんどんと湧いて出るものだから、とうとう、この怒涛のように溢れだした10円玉が、地面にまで山となって積み重なってゆくのでした。


「おあ~~。大変だあ!」


 と思ったんですが、どうしろったって、どうにもならないじゃないですか。


 仕方がないから、ひざまずいて、両手で出口を覆うしかない。


 まあ、いったい、この人、なにやってるんだろう?


 そう思われるのは、当然のこととして。


 それでもまあ、やっと止まったけれど、問題は、この80何個かの十円玉をどうするのか、ですな。


 財布は、中身の少ない普通の小容量のお財布。


 とても入りません。

 

 ズボンのぽっけに突っ込んだらどうなるか・・・、想像しただけで、恐ろしい事だと思いませんか?


 まったく、いくら相手がやましんだからと言っても、これは、サービス過剰というものですよね。


        《くたばれ、やましん!!》

 








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