第41話 謁見

翌朝、緊張して眠れないかもしれないと思っていたがぐっすりと眠れた。






いやだから神経図太過ぎやしませんか、私。


寝不足でクマができるよりはマシと言うことにしておこう…寝不足はお肌の大敵だもんね!






開き直りながら身支度を整える。


アルフレッド王への謁見は、城に来たとき着ていた服と一族のローブを着ることにした。


これが私にとっての、アザミ様にとっての正装だ。同時に戦装束でもある。




「ルイ、応援してくれる?」


「みゅ」


身支度を手伝ってくれたルイに声をかけると、こくん頷いてくれた。


双子が来てくれることもだけど、ルイの応援も心強い。




暫く部屋で待機しているとドアがノックされる。


返事をするとクラウドとアレクが姿を見せた。


「おはようございます、アザミ。本日の謁見ですが兄上と相談して僕らも同席する事にしました」


「そうなんですか?」


「あぁ、既に父上に許可は頂いてる」


「僕らも、無関係ではありませんから」


クラウドやアレクも思うところがあるのだろう。


ルイもついてくるつもりらしく私の頭の上にぽふんと乗る。




「準備は出来ているか?」


クラウドの声に背筋をぴっと伸ばして頷く。


クラウドとアレクを先導されてアルフレッド王の待つ玉座の間へと向かう。




その道中、双子はついてきてくれているのかと振り替えったらすぐ傍から小さな声で「此所にいるぜ」と聞こえた。声はしなくてもシオンも傍にいるのだろう。






玉座の間につくと、扉の両脇に控えていた騎士さん達がゆっくり扉を開けてくれる。


クラウドとアレクに続いて中に入り、一礼して奥の玉座の正面まで進む。


「よく来てくれたアザミ殿」


玉座に座るアルフレッド王は、相変わらず親しみやすい笑みを浮かべていた。


ルイが私の頭から降りて隣にちょこんと立つ。




「国王陛下、貴重な時間を割いてくださったこと魔導一族を代表する族長として深く感謝申し上げます。」


片足を半歩下げて膝を折り、スカートの端を摘まんで礼をし感謝の意を述べる。






「…この度の事についてクラウドより報告は受けている。先祖が魔導一族に対して行った非道…詫びさせていただきたい、申し訳なかった」




アルフレッド王は玉座から降りて言葉を紡ぐ。




「今後、クラルテ国は魔導一族を庇護し安全な不自由のない生活環境を提供しよう。如何かな?」


その言葉にクラウドとアレクが眉を寄せてアルフレッド王に視線をやる。


私は顔をあげるとまっすぐに王を見つめ返した。




「御断り致します」




やたら自分の声が響いた気がした。




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